研究課題/領域番号 |
20H03116
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41050:環境農学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊福 健太郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (50359783)
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研究分担者 |
菓子野 康浩 兵庫県立大学, 理学研究科, 准教授 (20221872)
内山 郁夫 基礎生物学研究所, ゲノム情報研究室, 准教授 (90243089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 海洋性珪藻 / 光化学系 / 集光性色素タンパク質 / 光合成 / ゲノム解析 / タンパク質立体構造 / 遺伝子発現解析 / ゲノム編集 / 珪藻 / 集光タンパク質 / 環境適応・応答 / 物質生産 / 環境応答・適応 / 実用珪藻 / 光環境応答・適応 |
研究開始時の研究の概要 |
地球環境の悪化を防ぐ低炭素化社会の実現に向けて、微細藻類は次世代のバイオ燃料を初めとする化成品原料の資源として重要である。一方、既存の野生種では環境適応能や生産性に限界がある。果たして変異株や形質転換体の利用による藻類バイオテクノロジーのブレークスルーは可能であろうか?本研究の目的は、ゲノム情報、形質転換・ゲノム編集技術、屋外大量培養設備などの独自のリソースをフルに活用して、学術的にも産業的にも利用価値があるツノケイソウ特有の光環境応答・適応機構を明らかにし、その光合成能、増殖、物質生産能を最大化することである。
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研究成果の概要 |
学術的にも産業的にも利用価値があるツノケイソウのゲノム情報、遺伝子発現情報、タンパク質立体構造情報を取得し、ゲノム編集によりその光合成能を最適化することを目指した。ツノケイソウの集光性色素タンパク質遺伝子の全構成が46遺伝子であること、それらが6グループに分類されること明らかにした。そしてクライオ電子顕微鏡を用いて得られたツノケイソウの光化学系ー集光性色素タンパク質複合体の立体構造に含まれるサブユニットを同定した。遺伝子発現解析に基づき、潜在的に余剰である可能性のある、あるいは、光環境応答に重要であると考えられる集光性色素タンパク質を選定し、ゲノム編集により機能解析を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本近海も含めて、海洋に広く分布するツノケイソウChaetoceros属のゲノムを解読し、データベースとして広く一般に公開した。また、紅色系系統の二次共生藻類の光化学系ー集光性色素タンパク質複合体における集光性色素タンパク質の組成と配置を、世界で初めて明らかにした。さらにツノケイソウのゲノム編集を可能とし、遺伝子発現解析の結果に基づいて重要な集光性色素タンパク質を選定し、それらの遺伝子欠損変異体の作成に成功した。野生株と比べて強光条件下での光化学系IIの量子収率が向上する変異株が得られ、珪藻の光捕集能をゲノム編集で操作することで、光エネルギー変換効率の向上が可能であることを示した。
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