研究課題/領域番号 |
20H03125
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
下里 剛士 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (00467200)
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研究分担者 |
佐藤 隆 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 特任教授 (70510436)
重盛 駿 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (90803487)
荻田 佑 信州大学, 学術研究院農学系, 助教 (50738010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 乳酸菌 / オリゴDNA / 微粒子 / 腸管 / 腸管上皮 / 腸肺相関 / 肺静脈心筋細胞 / 免疫 / 経口 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、優れた免疫機能を有する乳酸菌オリゴDNA(DNA短鎖)を有効成分とする、胃液に溶けず、腸まで届く経口用DNAナノカプセル(DNanocap)の開発に成功した。しかし、DNanocapを用いた経口投与と乳酸菌オリゴDNAを直接注射により投与した場合では、異なる免疫作用が発揮されることが明らかとなった。そこで本研究では、腸管上皮に送達されたオリゴDNAがもたらす免疫作用機序の解明を目指し、経口投与vs注射投与で免疫作用に違いが生じる現象についての調査を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、アレルギー性喘息モデルマウスに対して、乳酸菌オリゴDNAの経口用微粒子(ODNcap)含有飼料を給餌し、その効果について検証を行った。主な成果として、ODNcapはアレルギー性気道炎症を抑え、気道抵抗の改善をもたらし、杯細胞の過形成を抑制した。また、肺静脈心筋細胞の傷害を抑制することを発見した。加えて、ODNcapが介在する効果には気道抗菌ペプチドと腸内微生物叢が関与していることを明らかにした。将来、感染症、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患を予防または抑制する食品や飼料素材の開発につながる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、アレルギー性気管支炎の病態は、肺静脈心筋細胞の傷害を伴うことを発見し、乳酸菌オリゴDNA微粒子(ODNcap)の摂取は、この傷害を軽減することを見出した。これらの結果は、ODNcapが腸管を起点とする腸肺相関に関与していることを示唆している。今後は、ODNcapの有効性、安全性、治療可能性、および作用機序を検証するためのさらなる研究が必要である。乳酸菌オリゴDNAを有効成分とする気道炎症に対する予防薬や、機能性素材(食品素材や核酸医薬)の開発に役立つ知見が得られた。
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