研究課題/領域番号 |
20H03126
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
米倉 真一 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (40443113)
|
研究分担者 |
芳賀 聡 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (90442748)
渡邉 敬文 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50598216)
徳武 優佳子 東北大学, 農学研究科, 助教 (90824657)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 乳腺上皮細胞 / 小胞体ストレス応答 / 小胞体生合成 / 細胞死 / 乳牛 / 脂肪酸 / ミルク脂肪球 / 乳腺 / 小胞体ストレス / 泌乳 / 小胞体拡張 / 小胞体ストレス応答機構 / 泌乳制御 |
研究開始時の研究の概要 |
乳牛の健全性と生涯生産性の向上には、泌乳曲線を平準化させ泌乳持続性を高めながら高乳量生産を実現する技術開発が必要である。そこで、ミルク合成の現場である乳腺上皮細胞の機能と細胞数に着目した泌乳曲線制御へのアプローチを発想した。 すでに、乳腺上皮細胞の中で小胞体ストレス応答(UPR)が、カゼイン合成やアポトーシスに直接関与し、泌乳能力に大きく影響する可能性を見出していることから、泌乳能力に関わる「小胞体拡張」と「細胞死」を調節するUPRの分子経路と、乳腺上皮細胞死を誘導する過剰なUPRを引き起こす内因性因子を特定、解明することで、泌乳平準化技術開発を加速させる基礎知見を得ることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
乳腺上皮細胞の泌乳能力に関与する細胞内機構として小胞体ストレス応答(UPR)に着目し検討を行った。その結果、乳量上昇に関与する小胞体拡張は、肝臓から分泌されるIGF-1がUPRの1経路であるIRE1-XBP1を活性化することで小胞体生合成を促進していることを明らかにした。一方、乳量減少に関与する細胞死は、飽和脂肪酸がUPRの1経路であるPERK-CHOPを活性化することでアポトーシスを誘導していることを明らかにした。エネルギー不足に陥ると乳牛の肝臓で重篤な小胞体ストレスが発生していることも明らかにし、ヘムの構成要素である5-アミノレブリン産給与により、小胞体ストレスが低減することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳量増減に関与する細胞内機構と内因性因子を明らかにしたことから、今後、泌乳平準化する技術開発する上で有用な基礎的知見となることが期待される。さらに、本研究で同定した小胞体ストレスを低減する効果を有する5アミノレブリン酸やウルソデオキシコール酸の給与は、泌乳初期の負のエネルギーバランス時に有効である可能性が考えられる。
|