研究課題/領域番号 |
20H03130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 名誉教授 (40181680)
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研究分担者 |
舟場 正幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (40238655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 畜産学 / 栄養学 / UCP1 / 肥育牛 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らは、肥育牛の脂肪・筋組織において、エネルギー浪費の責任遺伝子であるUCP1が発現していることを明らかにしてきた。また、予備的な検討で、肥育牛の脂肪組織で時折認められるUCP1発現の高い個体の飼料効率はとくに低いことも見出している。この結果は、UCP1発現増加を介してエネルギー消費が亢進し、飼料効率にまで影響を与える可能性を示唆しており、全身のエネルギー代謝におけるUCP1発現の意義を示している。本研究では、1. 脂肪・筋組織におけるUCP1 mRNA発現量と肥育牛の生産性の関係、2. ウシにおけるUCP1発現に影響を及ぼすエクソソームや内分泌因子、ならびに飼料因子を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脱共役タンパク質(UCP)1は、適応性熱産生の責任分子であり、効率的な肉牛肥育にマイナスに働く。本研究において、1. ウシUCP1遺伝子の特徴ならびに発現制御、2. 肥育牛の脂肪・筋組織におけるUCP1発現と生産性の関係、3. 筋系細胞におけるUCP1発現誘導条件の解明を試みた。ウシUCP1遺伝子には変異体があること、筋組織でのUCP1発現は速筋線維の形成と関係すること、内因性BMP経路はUCP1発現を抑制すること、脂肪・筋組織におけるUCP1発現は生産性と明確な関係を示さないことが明らかになった。また、マウス筋系細胞ではBMP7がUCP1発現を正に制御していることも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脱共役タンパク質(UCP)1はエネルギー浪費タンパク質なので肉牛での発現は低い方が良い。ヒトやマウスとは異なり、ウシUCP1は筋組織でも発現する。ウシUCP1発現に関して詳細に解析したところ、ヒトやマウスでの知見を必ずしも適用できないことが明らかになった。これは比較生物学上の基礎知見として有用である。ウシUCP1発現制御に関してウシ個体、細胞、遺伝子を用いて解析することにより、より効率的な肉牛生産法の開発が可能になる。
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