研究課題/領域番号 |
20H03131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉野 利久 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (90363035)
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研究分担者 |
櫛引 史郎 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 再雇用職員 (30355218)
朝隈 貞樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター, 上級研究員 (50374773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 乳用子牛 / 初乳 / 酸性オリゴ糖 / 乳牛 / 酸性ミルクオリゴ糖 / 哺乳子牛 |
研究開始時の研究の概要 |
新生子牛にとって初乳は体液性免疫を獲得する上で非常に重要であり,初乳中のIgGや成長因子の研究は多く,酪農現場でそれらを基に初乳給与基準が設けられている。しかしながら未だに乳用子牛の疾病罹患率,死廃率は高い。そこで本研究は,初乳・移行乳にのみ多く含まれ腸管免疫機能や発達に影響する酸性ミルクオリゴ糖に着目し,未だ明らかではない①初乳中酸性オリゴ糖の変動要因,②新生子牛への機能性と③機能の持続性(ラクトクライン仮説)をin vivo実験系を用いて明らかにし,酪農現場に応用可能な基礎的知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
経産牛では乾乳期の栄養水準ではなく,乾乳期間の長さが酸性オリゴ糖濃度に影響することが示され,新生子牛の体重は酸性オリゴ糖濃度と正の相関があることが明らかとなった。国内で市販される代用初乳は,その製造過程の違いにより,酸性オリゴ糖濃度が大きく異なり,濃縮ホエーによりIgG含量を高めるタイプは,酸性オリゴ糖濃度が母牛由来の初乳と比較して低いことが示された。高酸性オリゴ糖濃度の代用初乳を給与した子牛では,哺乳量が高まる2から3週齢において,糞性状が良好であった。このことから出生後1ヵ月齢までは酸性オリゴ糖含量の高い代用初乳を給与した群で栄養消化を高める可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
初乳には,成長因子やインスリンなども豊富に含んでおり,これら因子が腸管機能の発達に影響する。乳用子牛の初乳に関する研究は多く,それらの成果は子牛の初乳管理に活用されており,FPTを中心にIgGを指標とした初乳給与基準の設定されており,また初乳に含まれる主要な成長因子,代謝ホルモン(インスリン等)と子牛の発育に関する知見は多い。しかし,依然として乳用子牛の下痢症,死廃率は高く,同様の飼養管理下でも個体により発育が異なるケースが多い。初乳に多く含まれる酸性オリゴ糖は腸管機能に影響することが知られており,本研究で得られた知見は酪農現場での乳用子牛の飼養管理の改善に寄与できる基礎的知見である。
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