研究課題/領域番号 |
20H03138
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
稲葉 睦 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (00183179)
|
研究分担者 |
高田 健介 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (40570073)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | 赤芽球造血 / 赤血球 / 赤芽球 / コレステロール / コレステロール結合蛋白質 / 貧血 / 赤芽球系造血 / コレステロール結合タンパク質 / 終末分化 |
研究開始時の研究の概要 |
赤芽球の終末分化ではコレステロールが重要とされるが、その仕組みには今なお謎が多い。代表者らは、コレステロール結合膜蛋白質TSPO2の遺伝子変異/欠失が赤芽球の細胞質分裂・細胞周期の遅延、細胞死と成熟不全、コレステロールの細胞内動態低下を生じることを明らかにした。この知見に基づき、本研究ではTSPO2がどのように細胞内コレステロール動態を調節して赤芽球造血の恒常性を担い大量の赤血球生産を可能にしているのか、マウス生体とマウス赤芽球系培養細胞を用いて、その仕組みを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
後期赤芽球に発現するコレステロール結合膜内在性タンパク質TSPO2の赤芽球産生におけるTSPO2の役割を、マウスモデルを用いて検討した。TSPO2をノックアウトしたマウスの赤芽球と赤芽球系培養細胞はいずれも細胞周期の異常により細胞分裂、増殖、ならびに赤芽球系成熟の異常を生じ、正常な赤血球産生が障害された。TSPO2欠損赤芽球は細胞内コレステロール動態の異常を示し、リソソームやゴルジ装置に検出されるTSPO2の導入はその改善を生じる一方、細胞外高コレステロール処理では改善を生じなかった。TSPO2は細胞内コレステロール分布の制御を介して効率的赤芽球産生を支えることが示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、貧血患者における低コレステロール血症やコレステロール過剰と赤血球産生異常の関係など、赤芽球系造血におけるコレステロール代謝の重要性が報告されているが、赤血球産生過程でコレステロールがどのように関わるのか、その機作や実態は不明である。本研究成果は、TSPO2という膜タンパク質が赤芽球の細胞内コレステロールを制御して赤芽球系終末分化における生理的な細胞増殖と成熟を支え、効率的な赤血球生産を可能にすることを示したものであり、生理的赤血球産生機序の解明、貧血等疾患の的確な診断・治療、人口赤血球産生の効率化、さらにコレステロールに関する適正な医療情報等に大きな学術的・社会的意義を有する。
|