研究課題/領域番号 |
20H03139
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
滝口 満喜 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (70261336)
|
研究分担者 |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
山崎 淳平 北海道大学, 獣医学研究院, 特任准教授 (20732902)
池中 良徳 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (40543509)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | 肝細胞癌 / 副腎肝臓連関 / 網羅的ステロイドホルモン測定 / エピゲノム変異 / 副腎皮質機能亢進症 / 網羅的ステロイド解析 / 脂肪肝 / 肝細胞癌の発癌メカニズム / 網羅的ステロイド測定 / 炎症のループ |
研究開始時の研究の概要 |
犬の肝細胞癌は比較的多い疾患であり、ステロイドホルモン産生過剰を起こす副腎皮質機能亢進症は肝細胞癌発症のリスクである。これまでの研究に基づき、犬肝細胞癌における多段階発癌説 ①高濃度のステロイドホルモンへの曝露;②肝細胞の炎症;③肝臓の一部でのエピゲノム変異、を提唱する。その証明のため、①質量分析法による網羅的ステロイドホルモン測定;②ステロイド曝露による肝細胞自身が誘導する炎症;③肝細胞癌組織でのエピゲノム変異、の検討を行う。本研究により内分泌疾患-炎症-発癌という病態が明らかになり、肝細胞癌の診断マーカーや治療法への発展が期待される。
|
研究成果の概要 |
犬の代謝機能障害疾患である副腎皮質機能亢進症が肝細胞癌の発症リスクであることから、副腎ステロイドホルモンと肝細胞癌発症の関連性の解明を目指した。まずは、ステロイドホルモンの網羅的解析を可能とする液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS/MS)を開発した。LC/MS/MSにより19種類のステロイドホルモンの解析が可能となったが、血中ステロイドホルモンと肝細胞癌の発症の関連性はあまり強くなかった。続いて、ステロイドホルモンと肝臓のエピゲノム変異の関連を探索したところ、9種類の遺伝子が候補遺伝子として抽出された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではステロイドホルモンの網羅的解析法を開発し、臨床応用した。血中ステロイドホルモンと肝細胞癌発がんの関連性は明確にならなかったが、開発した網羅的解析法を肝臓組織中のステロイドホルモンや尿中の代謝産物の測定に応用することで、代謝機能障害疾患と肝細胞癌の関連性の解明に貢献できる。 一方、エピゲノム変異(DNAの配列によらない遺伝子変異)の解析により、ステロイドホルモン(副腎皮質機能亢進症)と肝細胞癌との間に関連すると思われる候補遺伝子の抽出に成功した。これらの遺伝子を軸に、代謝機能障害疾患である副腎皮質機能亢進症と肝細胞癌の関連性の解明が進むだろう。
|