研究課題/領域番号 |
20H03141
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 大貴 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (60843216)
|
研究分担者 |
谷口 智憲 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (40424163)
富安 博隆 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (70776111)
西村 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80172708)
臼井 達哉 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80727652)
辻本 元 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60163804)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | CAR-T細胞 / GPC1 / HER2 / Comparative Oncology / 比較腫瘍学 / 犬 / 腫瘍 / 細胞療法 / CAR-T細胞療法 / がん免疫療法 / 腫瘍免疫学 / 免疫療法 / 獣医腫瘍免疫学 / 固形腫瘍 / 腫瘍抗原 / PDPN / 腫瘍免疫療法 / ポドプラニン / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍は人と同様に犬においても、主要な死亡原因であり、新たな治療法の開発が望まれている。申請者は、犬の固形腫瘍の根治を狙える免疫療法として、患者由来T細胞を用いた新規CAR-T細胞技術を報告してきた。しかし、既存のCAR-T細胞療法は膨大な費用がかかり、作製方法も非常に煩雑なため獣医実臨床への応用は難しい。そこで本研究では、持続的な増殖能を有する犬T細胞株を用いて、その移植反応関連分子を欠損させ、申請者が開発したCAR-T細胞技術を搭載することで、大量生産・保存可能かつ全ての犬固形腫瘍に適応可能といった特徴を持ち、『実臨床で使用可能な低コストかつレディメイドで適応可能な犬CAR-T細胞製剤』の開発に取り組む。
|
研究成果の概要 |
本研究では、犬の固形腫瘍の標的抗原として有望であるグリピカン1(GPC1)およびヒト上皮増殖因子受容体2 (HER2)を標的とした、人工の遺伝子改変抗腫瘍T細胞である犬キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療法の確立を目指した研究開発を行なった。 まず、GPC1およびHER2の犬固形腫瘍における発現の検証を行い、これら標的を発現する腫瘍種を多数同定し、CARに用いることが可能な抗GPC1または抗HER2一本鎖抗体(scFv)がそれらを認識することを明らかにした。さらに、世界初の抗GPC1犬CAR-T細胞の作成に成功し、前臨床研究において、安全性と有効性を実証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)は、医学領域においてヒト血液腫瘍患者に対する治療法として承認されており、高い臨床効果を示し、固形がんへの応用が非常に期待されている。犬の血液腫瘍においても未だ研究段階ではあるが、CAR-T細胞の投与が実施されており、同様に固形がんへの応用が期待されている。 本研究成果は、犬のみでなくヒト固形がんに対しても応用可能なCAR-T細胞を犬T細胞を用いて作成することに成功し、今後の臨床応用につながる研究成果であることから、獣医学的にも、医学的にも高い価値を有する。
|