研究課題/領域番号 |
20H03147
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
前田 貞俊 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50377694)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 皮膚リンパ腫 / ケモカイン |
研究開始時の研究の概要 |
犬の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の平均生存期間は約3ヶ月であり、その悪性度は極めて高い。これまでの応募者の研究から、びらんと全身転移はケモカイン受容体であるCCR4とCCR7が関与していることがわかった。したがって、CCR4とCCR7の機能を阻害する抗体を投与すれば、悪性度を規定している二大要因を除去できると考えた。本研究で確立される転移抑制を基盤とすれば、腫瘍の根治を目指すべく細胞隔離療法開発への道筋が明確となる。細胞隔離療法とは腫瘍細胞を特定の部位に人為的に集積させ、外科切除、局所化学療法あるいは放射線照射などを行う治療であり、致命的となる全身転移の抑制と腫瘍細胞の完全除去が可能となる。
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研究成果の概要 |
犬の皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)病変部のクローン解析から、皮膚以外の部位で不均一なクローン性が生じており、腫瘍細胞が全身に遊走している可能性が示された。CCR4またはCCR7遺伝子をノックアウトしたEO-1をマウスに移植したところ、皮膚結節および全身転移が抑制された。さらに、CCL17、CCL19、CCL21またはCCL22はEO-1の増殖を促進し、CCR4またはCCR7のノックアウトによってこれらの促進効果は消失した。以上の結果から、CCR4とCCR7は腫瘍細胞の遊走のみならず増殖も促進することが明らかとなり、犬CTCLの治療標的分子として有用であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ケモカインはヒトと同様に犬CTCLにおいても重要であることが明らかとなり、ケモカインに着目したヒトCTCLの新規診断または治療法開発において犬が有用な動物モデルであることが示された。また、CCR4のみならずCCR7も病態に関与していること、腫瘍細胞の遊走のみならず増殖にも関与していることなどが明らかとなり、治療標的分子として重要であることが示された。
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