研究課題/領域番号 |
20H03149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高島 康弘 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20333552)
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研究分担者 |
山本 雅裕 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00444521)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | トキソプラズマ / ネオスポラ / 潜伏 / シスト / 活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
偏性細胞内寄生性のトキソプラズマ、ネオスポラのシストが何らかの理由で宿主細胞外に放出されることが活性化のきっかけであるという仮説を立てた。予備実験として、感染マウスの脳神経細胞から取り出したシストを細胞外液あるいは細胞内液を模したイオン組成の液体中で培養したところ、細胞外液を模した液中では「宿主細胞から取り出したシスト」が直ちに活性化した。上記のようなin vitroレベルの成果にもとづき、本研究ではトキソプラズマ症・ネオスポラ症発症のきっかけになる因子を宿主生体組織内で同定するとともに、その因子を認識する原虫側の機構を解明する。
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研究成果の概要 |
トキソプラズマの潜伏状態からの活性化を誘導は、潜伏型虫体周辺の微小環境におけるナトリウム、カリウムならびにカルシウムイオン濃度が一定条件に合致したときに生じることを明らかにした。またこの条件は宿主細胞外のイオン濃度とほぼ同等であり、宿主細胞内で形成されたシストが細胞外に放出されることが再活性化の引き金になることが示唆された。事実、宿主細胞内のシストを物理的に細胞外にとりだすと再活性化がおこった。またこれら一連の反応には原虫が持つカルシウムチャネルが必要であることも示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人獣共通感染症であるトキソプラズマは、感染したからと言って直ちに発症することはまれである。いっぽう、免疫不全などにより潜伏中の虫体が再活性化すると脳炎などの重篤な障害につながることがある。これまで潜伏から再活性化に至るメカニズムは不明であったが、本研究でこれが明らかとなった。このため人、あるいは家畜に潜伏感染している本原虫の再活性化を防ぐための基盤となる知見が得られたと言える。
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