研究課題/領域番号 |
20H03150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮沢 孝幸 京都大学, 医生物学研究所, 准教授 (80282705)
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研究分担者 |
中川 草 東海大学, 医学部, 准教授 (70510014)
目堅 博久 宮崎大学, 産業動物防疫リサーチセンター, 准教授 (90633264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | マイクロRNA / 腫瘍 / レトロウイルス / フォーミーウイルス / がん治療 / トランスクリプトーム解析 / ネコ / ウシ / ウシフォーミーウイルス / ウシ白血病 / 抗腫瘍効果 / ウイルスベクター / ウマ / 抗腫瘍 / ウシ白血病ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
レトロウイルスの一種であるフォーミーウイルスは、宿主に終生持続感染するものの、いかなる疾病を引き起こさない。本研究は、フォーミーウイルス由来miRNAの抗腫瘍ポテンシャルに着目し、このウイルスがいかにして宿主にがんを引き起こすことなく宿主と共存しているのかを明らかにする。また、フォーミーウイルスが宿主のmiRNA産生系を乗っ取り、大量のmiRNAを産生するメカニズムを明らかにする。そしてこれらの知見を利用して、腫瘍抑制性miRNAを強力に発現しうる新規ウイルスベクターを開発し、家畜や伴侶動物を対象とした新規がん治療法へ道を拓く。
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研究成果の概要 |
マイクロRNA(miRNA)は、様々な代謝系やウイルスの増殖環を制御している。現在までに、多くのDNAウイルス、およびレトロウイルスを含む比較的少数のRNAウイルスが、miRNAをコードし、感染細胞内で発現することが報告されている。少数のレトロウイルスがmiRNAを発現することが示されており、フォーミーウイルス(FV)は当初、計算機解析によってmiRNAをコードする領域をもつことが予測されていた。その後、サルやウシのFVに関する研究で、機能的で生物学的に活性なmiRNA発現カセットの存在が確認された。我々は、低分子RNAディープシーケンス解析を用いて、ネコFV由来のmiRNAを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非病原性のウイルスであり、多くの動物に持続感染しているフォーミーウイルスは、そのゲノム中にマイクロRNA(miRNA)をコードしている。フォーミーウイルス感染細胞からは大量のmiRNAが産生されている。そのmiRNAの中には腫瘍の形成を抑えるものがあることが我々のわかった。今後、フォーミーウイルスを用いた腫瘍抑制性のベクターの開発や、フォーミーウイルスベクターを用いて大量のmiRNAを産生する株化細胞を作出し、miRNAを産生する細胞の培養上清中のエクソソームを回収・精製し、がんの治療に応用できる可能性が開けた。
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