研究課題/領域番号 |
20H03156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
枝村 一弥 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (80366624)
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研究分担者 |
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
塩澤 誠司 久留米大学, 医学部, 准教授 (10447039)
鳩谷 晋吾 大阪公立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (40453138)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 再生医療 / 運動器疾患 / iPS細胞 / 間葉系幹細胞 / 獣医 / 犬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、臨床グレードの犬の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用して、運動器疾患に対する細胞療法および再生医療の実用化を目指す研究である。まずは、犬のiPS細胞から均一性の高い間葉系幹細胞を作製し、変形性関節症の治療への応用を試みる。次いで、拒絶反応の少ない犬のiPS細胞の備蓄や、ゲノム編集技術を用いて拒絶反応が生じにくいiPS細胞の作製を試みる。最後に、犬のiPS細胞から培養軟骨や培養靱帯を作製する。本研究は、臨床グレードの犬のiPS細胞を用いた治療を具現化して動物の生活の質を著しく改善できるだけでなく、ヒトでの臨床応用に向けたトランスレーショナルリサーチとしても重要な成果が得られる。
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研究成果の概要 |
本研究では、臨床グレードの犬の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた運動器再生医療の実現を目指し基礎的な検討を行った。まずは、犬の胎子付属物由来組織に着目し、臍帯を使用することで樹立効率の高いiPS細胞の作製方法を確立した。次いで、犬の臍帯由来iPS細胞から間葉系幹細胞への最適な分化誘導条件を見出した。また、犬で間葉系幹細胞を関節内に投与した際の安全性も確認した。犬のiPS細胞由来間葉系幹細胞をペレット培養することで、軟骨細胞へ分化誘導することができた。さらに、バイオ3Dプリンタを用いた三次元細胞積層技術を利用したiPS細胞由来間葉系幹細胞から関節軟骨と靱帯様組織体の作製に一部貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、臨床グレードの犬の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用して、変形性関節症に対する細胞療法と、関節軟骨および靱帯の再生医療の実用化を目指した極めて実際的な研究である。現在のところ、臨床応用が可能な犬のiPS細胞は研究代表者らの施設でしか保有しておらず、本研究は世界初・日本発の技術として世界的に注目されている。本研究の成果は、犬の運動器疾患に対する効果の高い治療法を具現化し、動物の生活の質を著しく改善させることができるだけでなく、根治の困難であった運動器疾患の新規治療法の開発に大きく貢献することができる。
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