研究課題/領域番号 |
20H03162
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小沢 学 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80608787)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 精子形成 / 精巣 / セルトリ細胞 / 選択的スプライシング / 精細胞 / マウス / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
持続的精子形成は、「精原細胞の維持(自己複製)」と「精細胞の分化(減数分裂による半数体精子細胞の産生)」という異なるプロセスがバランスよく厳密に維持されることによって成り立っている。このプロセスには精細管内に存在するセルトリ細胞からのサポートが不可欠であるが、「精細胞の分化」を制御するセルトリ細胞の機能的役割は不明な点が多い。本研究では、これまでその分子機序がほとんど明らかにされていないセルトリ細胞による精細胞の減数分裂制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
持続的精子形成には、精細管内に存在するセルトリ細胞からのサポートが不可欠である。申請者らは、選択的スプライシング制御因子であるPTBP1がセルトリ細胞で高発現することに着目し、セルトリ細胞特異的なPTBP1欠損マウスを作製して、その遺伝子機能解析を行った。その結果、PTBP1欠損マウスではセルトリ細胞の細胞骨格に異常が生じることで、精細胞の分化異常が起こり、雄性不妊になることを見出した。このことから、PTBP1はセルトリ細胞の細胞骨格の維持を介して精細胞の分化を制御するというモデルが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖細胞は次世代に遺伝情報を伝達しうる唯一の細胞系譜であり、その発生を制御する分子基盤を明らかにすることは基礎科学的に極めて興味深い分野であると同時に、不妊・不育が大きな問題となっている今日において社会的にも希求性の高い研究である。本研究では、RNA結合タンパク質であるPTBP1がセルトリ細胞の細胞骨格の調整を介して精原細胞の分化を調節することを明らかにしており、精巣における精細胞と体細胞のインタラクションによる精子形成調整機構を理解する上で重要な知見となる。さらに、本研究の成果は新たな不妊治療技術を開発するための一助となることも期待できる。
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