研究課題/領域番号 |
20H03163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 玄 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (40243258)
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研究分担者 |
竹尾 透 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (10517014)
岡本 宗裕 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 教授 (70177096)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 受精 / 精子 / 精子表面タンパク質 / 人工授精 / 体外受精 / マウス / サル / GPIアンカー型タンパク質 / マウス精子 / サル精子 / 精子機能 / マカク属サル |
研究開始時の研究の概要 |
マウス精子で最も大量に発現しているGPIアンカー型タンパク質の抗体を用いたFACS解析から、精子は2つの集団に大別されることが判明した。さらにこれらを分取して、機能解析をおこなったところ、2集団間で直進運動性や体外受精能において差異がみとめられた。また、この2集団が揃わないと精子は卵に到達できず受精が成立しないこともわかった。よって、精子集団には、より受精しやすい集団と卵到達をサポートする集団が存在するのではないかと推察された。 本研究では、2群に分かれる精子集団の比較解析を多角的に実行する。さらにこの現象が、哺乳動物共通のものであるかどうかを、ヒトにより近いマカク属サル精子を用いて調べる。
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研究成果の概要 |
本研究は、マウス精子集団はSpGPI-APの発現量の違いをもって2群(high精子 とlow精子)にわかれることを示し、特にhigh精子がCa2+イオン依存的に出現し、体内での受精を負に制御することを示した。このhigh精子は、精子活性化の過程でSpGPI-APと連動する5種類の表面分子が存在するユニークな集団であった。また、同様な精子集団はサルにも存在することを示した。この現象は、従来のキャパシテーションや先体反応とは独立した事象と考えられ、哺乳動物には新たな受精制御機構が存在することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不妊症の約30%は原因不明の男性不妊によるものと考えられている。本研究について 現在特許出願を考えており、その予備調査において複数の男性不妊専門医からこの研究成果の早期の開示が要請された。本研究では、ヒトに近縁のサルにおいてマウスと同様の現象が認められたことから、将来不妊症診断や治療法開発につながる可能性が高いと考えられ、社会的意義も大きいと思われる。
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