研究課題/領域番号 |
20H03179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岸 雄介 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (00645236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / エピジェネティクス / ポリコーム / 遺伝子導入 / クロマチン / Hi-C / エンハンサー / Hmga2 / 転写因子 / 増殖期 / ニューロン分化期 |
研究開始時の研究の概要 |
神経幹細胞が自己増殖をやめてニューロン分化を始めるタイミングは、最終的な脳の大きさや機能を決定するため厳密に制御される必要がある。脳の高次機能をつかさどる大脳新皮質の幹細胞である神経幹細胞は、発生早期においては盛んに増殖を繰り返すことで神経幹細胞の数を増やし(増殖期)、発生中期にはニューロンを産生するが、その転換メカニズムはほとんど分かっていない。本研究では、増殖期からニューロン分化期への運命転換メカニズムを包括的に明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、発生初期において神経幹細胞が自己増殖を繰り返す増殖期から、ニューロンを産生するニューロン分化期に移行するメカニズムの解明を目指した。その結果、ポリコーム群タンパク質による適切な遺伝子発現の抑制が適切なニューロン分化に重要なことなど、神経幹細胞の運命制御に重要なエピジェネティクス基盤を明らかにすることができた。また、胎児脳から神経幹細胞からニューロンまで分化段階ごとに細胞を適切に回収する手法を確立し、この分野の発展に貢献することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発生初期の神経幹細胞の運命制御の異常は、様々な神経発達障害の原因となることが示唆されている。そのため、本研究で確立した神経細胞の適切な分取方法は、神経発生を理解するためのみならず、ヒトの神経疾患を理解するために重要である。さらに、いくつかの神経発達障害ではニューロンの興奮と抑制のバランスの異常が原因であると考えられている。ポリコーム群タンパク質は興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの産み分けに必須の役割を果たすことを見出しており、神経発達障害での興奮と抑制のバランス異常の原因を調べる上でも重要な知見である。
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