研究課題/領域番号 |
20H03181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
黒柳 秀人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30323702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 遺伝子発現制御 / 新生RNA / 線虫 / スプライシング / 転写後プロセシング / 塩基修飾 / 代謝標識 / 長鎖シーケンシング解析 / RNAプロセシング / mRNA前駆体 / 遺伝子発現 / 組織特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物のmRNA前駆体の選択的プロセシングはタンパク質の多様性を創出する重要な遺伝子発現機構であり、多細胞生物の多くの遺伝子で組織特異的な制御が見られる。本研究では、線虫の生体で組織特異的にRNAを濃縮する手法を開発し、組織特異的選択的プロセシングの概要を明らかにする。さらに、組織特異的制御因子の変異体を用いて同様の解析を行い、選択的mRNAプロセシングの制御機構を体系的に理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
線虫をモデル多細胞生物として、個体レベルでの転写途中の新生mRNA前駆体を代謝標識し精製する方法、および生体内新生mRNA前駆体の標識・精製する方法を確立した。そして、mRNA前駆体の品質管理機構を欠損する線虫変異体株から得られた新生mRNA前駆体の長鎖シーケンシング解析により、mRNA前駆体の選択的プロセシング機構と共役する品質管理機構に依存して遺伝子発現制御が行われる遺伝子をゲノムワイドに明らかにした。また、それらの遺伝子のうち、mRNA前駆体のスプライス部位の塩基修飾による選択的スプライシングの制御で遺伝子発現がされる例を全生物を通じて初めて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mRNA前駆体のプロセシング動態および品質管理機構と共役する遺伝子発現制御が多細胞生物の個体レベルで明らかになるのは初めてである。哺乳類では個体レベルで同様の方法を適用しても同様の結果を得ることは実質的に困難である。また、転写後の塩基修飾が直接的にスプライシングに影響を与える例を始めて見出したものである。本研究成果は、哺乳類を含む他の多細胞動物における転写と共役したmRNAの転写後プロセシングによる遺伝子発現制御機構を考察する上で基礎となる重要な知見を与えるものである。
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