研究課題/領域番号 |
20H03190
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
野澤 竜介 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 研究員 (70868710)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | クロマチン / 超解像顕微鏡 / RNA / 転写 / SAF-A / クロマチン構造 / XRN2 / 転写制御 / 超解像イメージング解析 / 超解像顕微鏡解析 / 遺伝子発現制御 / 液-液相分離 / 超解像イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
転写をはじめとした細胞の基本機能は、多様な構造を形成するクロマチン上において、如何に維持・制御されているか不明な点が多い。これまでに、SAF-A/hnRNP Uタンパク質と核内のRNAとが複合体を形成し、転写活性領域のクロマチン構造の緩んだ状態を維持することを見出した。本課題では、SAF-A/RNA複合体がどのような性質を持った局所環境を転写活性なクロマチン領域に作り出し、そしてその場が如何に転写の維持・制御に寄与するのかを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
細胞は、核酸やタンパク質をはじめとした生体分子を局所に濃縮することで核内に多様な微小環境を作り出し、転写をはじめとした細胞の基本機能を制御する。しかし、関連分子の空間的な制御や、ポリマーとしての物性を持つクロマチンの動態はほとんど明らかとなっていないため、いかにこれらの生化学的な反応が適正にそして効率的に進むのかについての説明は未だ得られていない。本研究では、SAF-A/RNA複合体がつくりだす局所の環境の生物物理学的な性質に着目し、その役割をクロマチンの構造制御や転写の調節に位置付けて明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、転写が誘導するSAF-A/RNAの構造体の形成によって、その局所に粘性がもたらされ、また一方でXRN2が備えるRNAの分解活性により、SAF-A/RNA構造体が破壊される、というダイナミックなサイクルの存在が明らかとなった。本研究成果は、細胞核内の分子の流動性を制御する分子メカニズムの一端を示すともに、SAF-Aの遺伝子変異が同定されている神経変性疾患の細胞病態を理解する新たな視点を提供することが期待される。
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