研究課題/領域番号 |
20H03193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松木 陽 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (70551498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 動的核偏極(DNP) / 固体NMR / 蛋白質構造アンサンブル / 蛋白質動的平衡構造 / 動的核分極(DNP)法 / GPCR |
研究開始時の研究の概要 |
機能性蛋白質の動作機構のより深い理解には、揺らぎをもつ構造とその分布の理解が必須である。従来の溶液NMR法、結晶回折法などの解析法はそれぞれ溶液中の運動平均構造、結晶格子中での最安定構造を決める手法であり、動的平衡にある構造群全体の解析は難しかった。本研究では、動的核偏極(DNP)による超高感度固体NMRスペクトルの計算科学的な解析から、蛋白質の動的平衡構造を明示的に解析する新手法を開発する。
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研究実績の概要 |
最終標的蛋白質のGPCR(β2アドレナリン受容体)について、無細胞系発現・精製・調製法を確立した。DOPC-コレステロール膜リポソームへの再構成、ラジオリガンドアッセイによるリガンド結合活性も確認した。固体NMR試料管へのパッキングを向上するのに、脂質量の最適化が必要であった。リガンドの結合に伴う構造変化を最も反映するヒンジ部位への選択的同位体標識スキームも設計し、主に主鎖構造アンサンブル平衡の観測に供する。これと並行してセレノメチオニン選択標識法も確立し、プロトン観測2次元 77Se-NMR信号の解析から、側鎖の構造アンサンブルに迫るアプローチも実行、学会発表した。GPCR以外の分子系で、やはり構造アンサンブルの動的平衡が機能発現に関与するモデル系として多剤排出系転写因子QacRの発現、精製も行った。QacRの微結晶状試料について、13C相関スペクトルの解析から動的平衡の存在が側鎖信号に捉えられることを見出し、学会発表した。 高次元・残基間相関用のラジオ波パルス列も完成し、観測信号の質向上を目指した最適化を行った。装置の長期・超・安定性を得るために、微小な磁場不均一性を補正するシム電源の改良が必要であることも見出した。 構造アンサンブルの計算科学的解析法については、データベースマイニングに則る基礎的な手法を確立し、モデル系αシヌクレインの液液相分離(LLPS)状態ドロップレット中の構造アンサンブル解析に応用した。成果は複数の学会発表、また論文として公表した。よりGPCRの解析に有用な解析法に発展させるため、DFTに基づく化学シフト計算をデータ解析に直接組み込む改良も行った。 以上より、モデル系、標的蛋白質試料ともに試料調製、DNP-固体NMR測定法、解析法、いずれについても計画に沿って順調に発展させ、膜蛋白質の二重膜中、構造アンサンブル解析の基盤を作った。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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