研究課題/領域番号 |
20H03199
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
森 英一朗 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70803659)
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研究分担者 |
吉澤 拓也 立命館大学, 生命科学部, 講師 (50779056)
齋尾 智英 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (80740802)
菊池 壮太郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90866386)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | LCドメイン / cross-βポリマー / 生物学的相分離 / アミロイド様線維 / 相分離シャペロン / 相分離駆動 / 相分離制御 / 相分離破綻 / 相分離生物学 / 天然変性タンパク質 / 中間径フィラメント / アミロイド線維 / 液-液相分離 / LLPS / 低複雑性配列 / cross-β polymer |
研究開始時の研究の概要 |
2010年代に入り、生物学的な相分離という「状態」から天然変性蛋白質の役割を説明する動きが出てきている。細胞内では、蛋白質の溶解性や凝集性を制御することで細胞内を区画化し、さまざまな生物学的な機能を制御しているという相分離生物学的なモデルが提唱されるようになってきた。また、生物学的相分離の破綻により、神経変性疾患やがん等の疾患を引き起こすことも徐々に明らかになってきた。本研究課題では、細胞内での蛋白質の状態を、構造・動態の解析技術を集約することで、生物学的相分離における蛋白質の制御機構を理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、生物学的相分離の制御機構を明らかにすることを目的とした。相分離抑制シャペロン(相分離制御因子)や相分離破綻ペプチド(相分離破綻因子)を組合せることで、制御と破綻の関連性について検討を進めた。「相分離制御破綻」という病態モデル[Nanaura et al. Nat Commun 2021]や、細胞骨格や機械的なストレス応答に関する異常が生じる病態発症機序[Shiota et al. Front Cell Dev Biol 2022]を論文として発表した。さらに、相分離制御破綻のさらなる詳細解析やオートファジー関連因子評価系構築を進め、成果の一部については論文投稿準備中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題を通じて、相分離の制御機構の理解を深めることができ、ALSなどの相分離破綻が病因と考えられている疾患群の発症機序の解明につながった。研究課題進行中に明らかになった更なる詳細な機序の可能性や、オートファジーなどとの関連性など、今後さらなる研究の推進が期待される。こうした成果は、治療法の無い神経難病に対する病態理解を深め、将来的な治療薬開発へとつながることが期待される。
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