研究課題/領域番号 |
20H03206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長谷川 純矢 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (00533788)
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研究分担者 |
井上 飛鳥 東北大学, 薬学研究科, 教授 (50525813)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | リゾリン脂質 / イノシトールリン脂質 / GPCR / すい臓がん / リン脂質 / 質量分析 / Gタンパク質共役受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
LysoPIP3を含むLysoPIPsは発見されたばかりの新規リン脂質である。ヒト肝がんではPIP3の増加が見られない代わりにLysoPIP3が増加している。このことから、LysoPIP3はがん悪性化を促進する脂質であるという仮定を立てている。そこで本研究では、(1)LysoPIPsの生成機構、 (2)LysoPIP3のがん悪性化分子機構、(3)LysoPIP、LysoPIP2の生理的、病態生理的役割を明らかにすることで、「がん脂質」としてのLysoPIP3の役割を明確にし、脂質が関わる細胞のがん化・悪性化の分子機構の一端を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究計画では3年間にわたり、申請者らが見出した新規リン脂質LysoPIPsの生理的、病態生理的機能の解析を実施してきた。これまで、LysoPIPsを生成するホスホリパーゼAを幾つか見出すことができた。また、市販されていないLysoPIPsの作製方法を考案し、現在純度の高いLysoPIPsを精製することに成功している。この精製したLysoPIPsを用いて共同研究者とともに、LysoPIPsの一つであるLysoPIP3をリガンドとするGタンパク質共役型受容体(GPCR)約250種類のスクリーニングを実施した。その結果、2つの受容体に高い反応性を示すことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で見出した新規脂質LysoPIP3は、ヒト肝がんで上昇する実験事実から、がんで上昇し、がん細胞の増殖や悪性化に寄与していることが推測された。LysoPIP3の生成機構(ホスホリパーゼA)、そしてLysoPIP3が応答する受容体Aを見出していることから、これらの分子が新しいがん治療薬の標的になることが考えられる。特に本研究で見出した受容体Aは、内在性のリガンドが未知のオーファン受容体である。本研究を進めることで、LysoPIP3を真のリガンドとして提示でき、極めて学術的に意義がある。そして、膵臓がん患者で発現レベルが高い受容体Aの拮抗薬は、新規のがん治療薬として非常に期待できる。
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