研究課題/領域番号 |
20H03207
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木塚 康彦 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 教授 (20564743)
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研究分担者 |
中嶋 和紀 岐阜大学, 糖鎖生命コア研究所, 准教授 (10442998)
中の 三弥子 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40397724)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 糖鎖 / 糖転移酵素 / bisecting GlcNAc / がん / アルツハイマー病 / GnT-III (MGAT3) / GnT-V (MGAT5) / GnT-IVa (MGAT4A) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がん・アルツハイマー病(AD)に関わる糖鎖分岐構造に着目し、疾患時に起きる糖鎖の発現変化がどのようにこれらの疾患を悪性化していくのか、そのメカニズムを明らかにする。特に、ADではbisecting GlcNAc分岐、がんではbeta1,6分岐の2つの糖鎖分岐構造に着目し、これらの糖鎖が特定の標的タンパク質に発現するメカニズムや、タンパク質の機能変化の詳細について明らかにすることで、がん・ADにおける糖鎖の分岐形成メカニズムとその意義を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、疾患に関わる糖鎖に着目し、疾患時に起きる糖鎖の発現変化メカニズムを明らかにすることを目的として、これらの糖鎖を合成する糖転移酵素の活性制御や基質選択性に着目した研究を行った。その成果として、がんに関わる酵素GnT-Vの新たな分泌制御メカニズムや、本酵素が細胞外小胞(sEV)に存在して受け手細胞へ伝達されること、また糖タンパク質への作用に非触媒ドメインが必要なことなどを明らかにした。さらに、糖尿病に関わる酵素GnT-IVについて、C末端にレクチンドメインが存在し、それが酵素活性に必須であること、また2つのアイソザイムaとbの間で標的タンパク質選択性が異なることなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、疾患に関わるN型糖鎖合成酵素について、これまで不明であった基質タンパク質選択性や細胞内活性の新たな制御メカニズムを複数明らかにした。糖鎖は様々な疾患に深く関わることが知られているが、その発現メカニズムの複雑さから、糖鎖を標的とした創薬はまだ十分に行われていない。本研究は、これまで不可能であったタンパク質特異的な糖鎖修飾や、そのための新たな化合物開発へ有用な知見を与えるものであり、将来的な糖鎖標的創薬に大きく貢献するものである。
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