研究課題/領域番号 |
20H03210
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土井 知子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00397580)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,950千円 (直接経費: 11,500千円、間接経費: 3,450千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | ペプチドGPCR / シグナル伝達 / 三量体Gタンパク質 / シグナル伝搬 / 受容体薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチドホルモンのエンドセリン(ET)は、血管壁の緊張度や体液の恒常性を調節して生命活動に必須の生理機能を担う。エンドセリンB型受容体(ETB)を介する血管弛緩作用は、がんやアルツハイマー病、脳血管障害の治療に期待されるが、ETB情報伝達機構は十分に解明されていない。本研究は、ETによるETB受容体の活性化機構を解明して作動薬の必要条件を明らかにすることを目的として、ET結合ETB-Gタンパク質複合体の構造解析と、ペプチド誘導体や変異受容体を用いてGタンパク質やアレスチンとの相互作用の解析を行う。本研究により、ETB選択的作動薬の開発やペプチド受容体の活性化機構の解明を促進できると期待される。
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研究成果の概要 |
血管収縮を調節するエンドセリンホルモン受容体ETBRにおける内在性ホルモンET-1の作用機構の解明、ETBRと三量体Gi複合体構造の単粒子解析を行った。ET-1のヘリカル領域に存在するY13, F14は、ETBRのTM1-N末領域-TM7細胞外側と相互作用しETBRを活性構造へ移行させる重要なきっかけになっていることが判明した。複合体構造において観察された相互作用を、cell-based assay等によって検証し、ETBRが独自の活性構造安定化機構を使っている一方、共通の相互作用部位を介して各種のGタンパク質を活性化していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ETBRは創薬における標的受容体であり、心臓血管疾患、脳神経系疾患、がんなどの疾病と深くかかわる。しかしながら未だに非ペプチド性アゴニストが開発されていない。我々の研究が明らかにしたET-1結合型や阻害薬Bosentan結合型ETBR構造、ETBR-Gi複合体構造を利用してETBRのリガンド認識、活性化機構を解明することは、副作用が少ない、より選択的な作用薬の開発を加速するとともに、GPCRの活性化における新たな分子機構を提案できると考えられる。
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