研究課題/領域番号 |
20H03211
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
堀 弘幸 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (20256960)
|
研究分担者 |
平田 章 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (60527381)
横川 隆志 岐阜大学, 工学部, 教授 (90242304)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
|
キーワード | 酵素 / 核酸 / タンパク質 / RNA |
研究開始時の研究の概要 |
tRNA中には、様々な修飾ヌクレオシドがいろいろな位置に存在します。修飾ヌクレオシドの第一義的な役割はタンパク質合成系の制御ですが、スプライシング、プロセシング、RNAの輸送、分解、RNA干渉ともリンクし、発生・分化、発がん、感染、免疫など高次生命現象にも影響します。tRNA修飾酵素群のRNA認識機構と各タンパク質サブユニットの役割を解明します。tRNA修飾酵素の変異は、ヒト遺伝病の原因となり、感染性微生物の中には、tRNA修飾を感染必須因子とするものもいます。したがって、本研究の成果は、生化学・分子生物学のみにとどまらず、医学、薬学、農学、理学、工学等、多方面へ波及するものです。
|
研究成果の概要 |
本課題は、複数のサブユニットからなる複合tRNA修飾酵素の基質tRNA認識機構の解明を目的とした。酵母tRNA10位を2-メチルグアノシンに修飾するTrm11-Trm112複合体は、細胞内に存在する43種のtRNAのうち、20種類しかメチル化しない。研究代表者らは、Trm11-Trm112が、G10-C25塩基対、CCA末端、5ヌクレオチドバリアブル領域、38位周辺の糖リン酸骨格を認識することを発見した。この他、4-チオウリジンの新たな検出法や次世代DNAシーケンサを併用したRNA修飾酵素解析法を考案し、それらのプロトコールを公開し、THUMPドメインに関する総説をまとめた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
21世紀に入り、tRNAの修飾ヌクレオシドと修飾酵素の欠損が50種類以上のヒト遺伝病と関係することが判ってきた。したがって、当該領域は、遺伝病の病態の理解、新たな遺伝子診断法や遺伝子治療法の開発に直結する分野となっている。また、tRNA中の修飾ヌクレオシドや修飾酵素は、コレラ菌、チフス菌、レトロウイルスなどの感染必須因子である。ゆえに、tRNAの修飾ヌクレオシドと修飾酵素の研究は感染性微生物防除の観点からも重要である。複合tRNA修飾酵素は精製酵素による解析が難しく、未解明な問題が多い分野であったが、本研究では複合tRNAメチル化酵素の基質tRNA認識機構を明らかにすることができた。
|