研究課題/領域番号 |
20H03214
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
土屋 光 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主任研究員 (90760132)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | タンパク質分解 / ユビキチンリガーゼ / プロテアソーム / 蛋白質分解 |
研究開始時の研究の概要 |
ユビキチン・プロテアソーム系は選択的なタンパク質分解を実行することで様々な生命現象を制御している。従来、ユビキチン化された基質タンパク質はプロテアソームに直接認識され分解されると信じられてきたが、プロテアソームと一過的に相互作用するタンパク質群がプロテアソームの機能を調節することがわかってきた。申請者はプロテアソームと相互作用するタンパク質群の解析により複数の疾患関連ユビキチンリガーゼ(E3)がプロテアソームと結合することを見出した。そこで、これらのE3が、プロテアソーム上で何をユビキチン化するのか?プロテアソームの機能をどのように制御するのか?を明らかにし、さらに疾患との関連性を明確にする。
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研究実績の概要 |
ユビキチン・プロテアソーム系は選択的なタンパク質分解を実行することで様々な生命現象を制御している。従来、ユビキチン化された基質タンパク質はプロテアソームに直接認識され分解されると信じられてきたが、プロテアソームと一過的かつ極微量(sub-stoichiometric)に相互作用する様々な相互作用タンパク質群がプロテアソームの分解サイクルを正負に制御することが徐々にわかってきた。我々はプロテアソームと相互作用するタンパク質群の網羅的解析によりユビキチンリガーゼE6AP(アンジェルマン症候群・自閉症の責任遺伝子、さらに子宮頸がんに関与)などの複数の疾患関連ユビキチンリガーゼがプロテアソームと相互作用すること、さらに、E6APがRpn10(ユビキチン受容体)の機能未知ドメインに相互作用することを見出した。本研究ではこれらのプロテアソーム結合性ユビキチンリガーゼが、プロテアソーム上で何をユビキチン化するのか?プロテアソーム依存的なタンパク質分解をどのように制御するのか?を明らかにし、さらに疾患との関連性を明確にする。本年度はRpn10のE6AP結合ドメインに新たなユビキチンリガーゼが相互作用すること、この相互作用ドメインがプロテアソームの液-液相分離の制御に重要であることを明らかとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プロテアソームのユビキチン受容体と相互作用する新規ユビキチンリガーゼの探索をおこなったところ、Rpn10はE6APのみならず、UBE3Bなど複数のユビキチンリガーゼと相互作用することを見出した。さらにUBE3BがRpn10のE6AP相互作用ドメインを介して結合することを明らかにした。 また、高浸透圧ストレス依存的に液-液相分離により生じるプロテアソーム核内foci(核内のタンパク質品質管理に関与)の形成にE6APが関与すること見出しているが(Yasuda* and Tsuchiya* et al, Nature)、今年度はプロテアソームが液滴を形成する新たなストレスを発見し、Rpn10のユビキチンリガーゼ結合ドメインが液滴形成制御に重要であることを明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
ストレス環境下における変動解析 昨年度はタンパク質毒性ストレスによりプロテアソームが液滴を形成することを見出した。さらにRpn10のユビキチンリガーゼ結合ドメインが液滴形成制御に重要であることが示唆された。そこで各種ユビキチンリガーゼノックダウン細胞を用いてタンパク質毒性ストレス依存的なプロテアソーム液滴形成へのユビキチンリガーゼの関与を明確にする。また、質量分析計を用いて液滴の構成因子を網羅的に同定する。 一方、神経変性疾患などの疾患ではプロテアソーム結合性ユビキチンリガーゼの変異によりプロテアソーム経路に負荷がかかっていることが示唆される。そこで、タンパク質毒性や酸化ストレス刺激下におけるプロテアソーム相互作用因子の変動を検討する。また、患者由来の変異遺伝子を導入した細胞をCRISPR-Cas9を用いて作製し病態との関連を検討する。
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