研究課題
基盤研究(B)
細菌べん毛モーター回転力発生機構を解明するために、以下の5つの観点から研究を遂行する。1)エネルギー変換ユニットPomAPomBの構造をX線結晶構造解析、クライオ電子顕微鏡単粒子解析、NMR解析によって明らかにする:2)固定子イオン透過部位のダイナミックな構造を全反射型赤外分光法によって明らかにする:3)生化学的手法によるPomA-FliG間の相互作用の検討をする:4)膜モーター回転子タンパク質の構造解析を固定子と同様に行う:5)試験管内完全モーター再構成系の構築を試みる。
べん毛回転は、細胞膜上の固定子中をイオンが透過し、固定子-回転子間の相互作用が変化し、回転力が生じる。我々の研究で主に使っている海洋性ビブリオ菌のPomAPomBに関して、クライオ電子顕微鏡による構造解析を前年度に引き続き行い、原子レベルの構造構築を行った。しかし、昨年、我々の使っているPomABとほぼ同じタンパク質構造がデンマークのグループによって先に発表されてしまった。そこで、新たな付加価値をつけて投稿するためにイオン結合部位の構造についてさらなる詳細に解析を行い、論文をほぼ投稿できる状態にした。べん毛モーターの試験管内で、機能的なモーターの再構成形を構築するために必要なビブリオ菌由来のMSリングをFliFとFliGを融合したタンパク質を用いて、効率よく精製することに成功して、解析を行い、論文としまとめることができた。さらに、クライオ電子顕微鏡で構造解析をおこない、原子レベルの構造についてSリングの部分については得られた。しかし、MリングやFliGの部分については構造が揺らいているらしく、構造を得ることはできなかった。FliFにGFPを結合して、MSリング構造を観察できることも示すことができた。このMSリングを膜に埋め込む実験を開始した。また、実際に固定子が回転しているかを検証する為に、GFPタンパク質をPomBに融合し、精製を行い、前年度AFM(原子間力顕微鏡)による観察を行ったが、構造を確認することはできなかった。本年度は、Hisタグを利用して、金粒子に結合することで、観察を行い、固定子の構造を電子顕微鏡とAFMで、固定子の構造を容易に観察することはできるようになった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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