研究課題/領域番号 |
20H03251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
前田 達哉 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90280627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | シグナル伝達 / TOR / TORC1 / グルタミン / Pib2 |
研究開始時の研究の概要 |
ラパマイシンの標的であるTORC1キナーゼ複合体は、アミノ酸に応答して活性化され細胞成長を制御するが、アミノ酸を検知してTORC1活性を制御する機構には不明な点が多い。本研究では、よく知られたGtr/Rag依存的TORC1活性化機構と、これとは独立なPib2依存的グルタミン応答性TORC1活性化機構について、アミノ酸検知とTORC1活性化の分子機構の詳細を明らかにしようとするものである。一般にアミノ酸のような代謝物質は細胞内に高濃度で存在するため、その検知は「特異的でありながら弱い」という特異な結合様式を介していると想定され、本研究はそのような代謝物質の検知機構のモデルを提供するものである。
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研究成果の概要 |
Pib2は、グルタミンに直接結合するセンサーであり、グルタミンとの結合によりE-motif依存的にTORC1と相互作用し、tail-motifに依存してTORC1を直接活性化する活性化因子でもあるという、新規のTORC1活性制御機構の実体であることを明らかにした。また、Kog1のC末端にフレキシブルなリンカーペプチドを介してPib2を融合することで、グルタミン応答性を維持したTORC1-Pib2キメラ複合体を作製することに成功した。さらに、シロイヌナズナのFREE1/FYVE1はPib2のオルソログとしてTORC1活性化に関与している可能性を提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TORC1は代謝制御において中心的なシグナル伝達因子で、さまざま疾患の発症・増悪に関与しており、TORC1制御機構の解明はそれらの疾患の新たな治療戦略に結びつくことが期待される。栄養を検知してTORC1を活性化する機構については、これまで個別の必須アミノ酸検知機構について研究が進んでいた。これに対して、本研究では、代謝においてより汎用されるアミノ酸であるグルタミンの検知機構を初めて明らかにし、さらにTORC1活性化機構としても新規な様式を見出した。また、今後の研究に欠かせない研究ツールを開発するとともに、この機構が植物にも保存されている可能性を示した。
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