研究課題/領域番号 |
20H03260
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 妙子 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (40402804)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 成体神経幹細胞 / 休眠 / エクソソーム / リソソーム / 神経幹細胞 / 休眠状態 / 加齢 / 微小環境 / 成体脳 |
研究開始時の研究の概要 |
大人の脳に存在する神経幹細胞は、ほとんどが増殖を停止した「休眠状態」にあります。私達は、細胞小器官の一つであるリソソームの働きによって、神経幹細胞の「休眠」が維持されていることを見いだしてきました。しかし、リソソームが脳組織内でどのように神経幹細胞群を制御しているのか、また、その制御が加齢によりどのように変化するのかはよくわかっていません。本研究ではそれらのメカニズムを解析し、一般に細胞内の最終分解の場であると認識されているリソソームの脳組織内での新しい機能を解明します。
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研究成果の概要 |
成体脳内の神経幹細胞は、ほとんどが増殖を停止した「休眠状態」にある。我々はその休眠がリソソームによって制御されていることを示してきた。我々は本研究課題で新たな制御機構を二つ明らかにした。まず、幹細胞の微小環境である幹細胞ニッチの制御に着目し、細胞外分泌小胞のエクソソームについて解析した。その結果、休眠神経幹細胞のエクソソームによる翻訳抑制を明らかにした。また、脳内のリソソームの活性を測定する新たなプローブを開発し、様々な年齢や疾患モデルマウスでの解析から、そのタンパク質分解活性が神経幹細胞内でダイナミックに変化していることを見出した。以上の成果から2報の原著論文を作成し、公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大人の脳内に存在する神経幹細胞は、ほとんどが増殖や分化を停止した「休眠状態」で維持される。休眠は一生涯に渡って脳内に幹細胞を維持するための必須のメカニズムであるが、加齢に伴って活性化されにくくなるため、脳内での休眠制御の分子機構の解明は、学術的にも非常に重要な課題である。我々は本研究課題によって、2つの新たな神経幹細胞の制御機構を明らかにした。一つは細胞外分泌小胞のエクソソームによる制御であり、もう一つは加齢や疾患に伴う脳内神経幹細胞でのリソソームの機能変化についてである。これらの成果は、神経幹細胞を利用した脳疾患の予防や治療法の開発につながる基礎研究であり、社会的な意義も非常に高い。
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