研究課題/領域番号 |
20H03270
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
丸山 千秋 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, プロジェクトリーダー (00281626)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
|
キーワード | 大脳皮質 / サブプレート / 自閉症 / 発達障害 / シングルセル解析 / Visium 解析 / 空間的トランスクリプトーム / 脳進化 / 空間的遺伝子発現解析 / 脳発生 / 大脳日室 / 神経発生 / 脳構築 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳新皮質はインサイドアウトの層構造を持つが、本構造の獲得により哺乳類は創造性を持つヒトへと飛躍的な進化を遂げた。膨大数のニューロンによる精巧な層構造が胎児期という限られた時間内に完成するには、ニューロンの新生、移動、軸索投射等が同時かつ同調して進行する必要があるが、その制御メカニズムは未解明である。サブプレートニューロン(SpN)は大脳皮質発生で最初期に誕生し、生後大部分が消失するが、その神経活動がニューロンの移動モード変換のタイミングを制御することが明らかになった(丸山ら, Science, 2018)。そこで本研究はSpNの機能解析を通し、脳構築が正確に行われるメカニズム解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
サブプレートニューロン(SpN)は大脳皮質で最初に誕生、成熟するニューロンで、胎生期の脳形成に重要な役割を持つ。生後はその数が激減するが、自閉症等の発達障害患者脳ではその減り方が少ないことが示唆されている。従ってSpNの胎生期から生後発達期にかけてのダイナミズムの解明は精神疾患発症のメカニズム解明の上でも重要である。本研究ではSpNの胎生期のマーカーの同定と、サブタイプの分類を進めることで、ヘテロな細胞集団であるSpNの細胞種とその役割の違いを明らかにするためにシングルセル解析、Visium解析を行い、SpNの複数のサブタイプを同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉症や発達障害は生まれつき発症する場合が多く、脳の器質的な異常に起因することが示唆されるものの、未解明の部分が多い。従ってその治療法についても対処療法に頼り、根本的な治療戦略はないに等しい。本研究は、これらの疾患の発症メカニズムを知るためにもSpNに着目して研究を進めた。SpNは大脳皮質で最初に誕生し、成熟するニューロンであり、胎生期の神経細胞移動や初期の神経回路形成(視床-皮質連絡の形成)を制御している。生後はその数が激減するが、自閉症脳では減り方が少ないことが報告されている。そこで、マウスモデルを用いてSpNを操作するマウスを作製し、精神疾患発症との相関の解明を目指す。
|