研究課題/領域番号 |
20H03278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
真野 純一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (50243100)
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研究分担者 |
杉本 貢一 筑波大学, 生命環境系, 助教 (00511263)
村田 芳行 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (70263621)
深城 英弘 神戸大学, 理学研究科, 教授 (80324979)
武宮 淳史 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80448406)
山内 靖雄 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90283978)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | 環境ストレス / 植物ホルモン / シグナル伝達 / レドックスシグナル / グルタチオントランスフェラーゼ / 活性酸素 / 親電子物質 / アクロレイン / 活性カルボニル / 塩ストレス / 青色光シグナル / 気孔 / グルタチオントランスフェラーぜ / 活性カルボニル種 / 酸化ストレス / オキシリピン / ストレス耐性 / 脂質 / 植物 / ホルモン応答 / 環境応答 / ストレス防御 |
研究開始時の研究の概要 |
植物において活性酸素(ROS)のシグナル伝達機構は未解明である。過酸化脂質からつくられる「活性カルボニル種(RCS)」は酸化シグナルをタンパク質に伝える。本研究では植物でのRCSシグナル応答機構とRCS制御機構を解明する。(I) オーキシン応答,気孔開閉制御,プログラム細胞死に関わるRCS受容体タンパクを特定しシグナル変換機構を明らかにする。(II) 細胞内部位ごとのRCSの作用:葉緑体,アポプラストにRCS消去酵素を局在させ,ストレス応答解析からRCSの部位ごとの作用の違いを解明する。(III) 植物固有のRCS消去物質を単離精製する。以上により植物の酸化シグナルの制御機構を記述する。
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研究成果の概要 |
(1)活性カルボニル種(RCS)は孔辺細胞のH+ATPaseまたはその活性調節機構に作用し青色光応答を阻害し,これによりABAシグナルとBLシグナルのクロストークを媒介することを示した。(2) RCSは葉の老化開始シグナルであり,葉のアルデヒドオキシダーゼはRCSを消去し老化開始を抑制することを見出した。(3) 塩ストレスでの成長阻害はRCSの増大が要因でありRCS消去剤は障害を軽減することを明らかにした。(4) RCSを特異的に消去する複数のGSTアイソザイムをミヤコグサなどで新たに見出した。(5) アルケナールレダクターゼが葉緑体で生じるアポカロテノイドの一部を消去することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1) 孔辺細胞のABAシグナル経路とBLシグナル経路のクロストークをRCSが介することを初めて示した。(2) 農業生産の世界的な阻害要因である塩ストレス障害に関し,アクロレインやHNEなどのRCSの増大が生育阻害の原因であり,RCS消去剤によって塩ストレス障害が軽減されることを初めて示した。(3) GSTは一般に解毒酵素として重要性であると広く理解されていたが,GSTが植物体内でGSが何を解毒しているかは明確でなかった。本成果によって,複数の被子植物種で,複数のGSTUがRCSを基質として認識することが明らかとなり,GSTの生理機能としてRCS消去が大きな意味をもつことが示された。
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