研究課題/領域番号 |
20H03283
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
川口 正代司 基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 教授 (30260508)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 根粒形成 / ミヤコグサ / 全身制御 / マイクロRNA / 窒素固定 / HAR1受容体 / シュート / 遠距離シグナル伝達 / HAR1 / microRNA / 葉制御 / TML / 共生 / 遠距離シグナル / システミック制御 / オートレギュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
窒素はすべての生物において必須の元素であるが、大気中の窒素を直接利用できる真核生物は存在しない。一方、マメ科植物は根粒菌を細胞内に取り込むことによって窒素を常温常圧でアンモニアに変換し、窒素養分として利用することができる。この根粒菌とマメ科植物の共生バランスは、根と葉を介した遠距離コミュニケーションによって制御されている。本研究では、葉から根への遠距離シグナル伝達機構に焦点をあて、その分子レベルでの解明と、根の感染情報を葉に伝達する適応的意義について研究する。
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研究成果の概要 |
マメ科植物は根粒菌との相利共生を維持するために、根とシュートを介したシグナル伝達系を利用している。ミヤコグサの葉では、根由来の糖修飾CLEペプチドがHAR1受容体に結合し、根粒の過剰形成を抑制するシグナルが産生されると考えられていたが、その分子機構は完全に解明されていなかった。我々は「葉」から「根」に伝達される遠距離シグナル因子を探るために、「葉」で発現する全RNAを高精度アセンブル手法を駆使して、世界の研究者が見落としていたマイクロRNAの前駆体遺伝子MIR2111-5を発見し、ゲノム編集技術を用いての欠失と接ぎ木実験により、葉で産生されるmiR2111の機能とシステミックな作用を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
窒素固定の手法としてハーバー・ボッシュ法が知られているが、マメ科植物に共生する根粒菌は常温常圧で効率よく窒素分子をアンモニアに変換することができる。その際、光合成による炭素同化産物を多く必要とするので、炭素同化と窒素固定とのバランスが植物の成長には極めて重要になる。根からの情報を「葉」でHAR1受容体が感知し、マイクロRNAの発現を制御することで、根粒形成を制御できることを見出した。 また、以上の受容体とマイクロRNAを介した根粒形成の全身制御モデルを動物の腫瘍に適用することができれば、腫瘍の初期形成を全身的に感知して、その発生と数を抑制することが可能になると思われる。
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