研究課題/領域番号 |
20H03285
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 敦 北海道大学, 理学研究院, 教授 (90422005)
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研究分担者 |
佐竹 炎 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主幹研究員 (20280688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 精子形成 / 長鎖非コードRNA / ゲノム / dual promoter-enhancer / 遺伝子発現調節 / テストステロン / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はマウスを用いて精子形成のメカニズムを解明することを目指したものである。精子形成では減数分裂中の一次精母細胞において特に重要な遺伝子が転写活性化することが不可欠であるが、そのメカニズムは明らかではない。本研究では、ともに一次精母細胞で重要な機能を果たす長鎖非コードRNAと多機能性ゲノムdual promoter-enhancerが協働してこの転写活性化を担うという、精子形成におけるこれまでにない新しいメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
精子形成において重要なステップである減数分裂では、一次精母細胞と呼ばれる時期に多数の重要遺伝子が転写活性化する。我々はこの転写活性化に長鎖非コードRNAおよびプロモーターとエンハンサーの役割を同時に果たすdual promoter-enhancer(DPE)が機能することを明らかにした。本研究では、これら長鎖非コードRNAとDPEが減数分裂において協働して機能するという仮説を検証した。一次精母細胞のDPEと長鎖非コードRNAの標的遺伝子を網羅的に同定して比較した結果、これらが実際に協働している可能性が示唆された。また長鎖非コードRNAがテストステロン合成を調節するという新しい機能も発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は哺乳類のゲノムにおいて大部分を占める、タンパク質を指定しない非コード領域の機能解明に貢献するものである。非コード領域は生命科学のダークマターともよばれる大きな謎であり、本研究はその機能解明に貢献する点で学術的価値がある。しかも本研究は、生命を次世代につないでいくうえで不可欠な精子をつくる過程で機能する非コード領域の研究であり、ゲノムの最も本質的な機能を明らかにすることにつながる。社会的観点からは、晩婚化が進む日本社会において男性側の問題によって不妊治療を行うケースが増えており、本研究の成果はこの社会的問題解決の糸口を見出す可能性がある。
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