研究課題/領域番号 |
20H03287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
太田 龍馬 帝京大学, 理工学部, 講師 (00647969)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 性決定 / 遺伝子量補償 / 始原生殖細胞 / ショウジョウバエ / 生殖細胞系列 |
研究開始時の研究の概要 |
有性生殖を行う多くの動物において、生殖細胞系列(配偶子を生み出す細胞の系譜)は性差を有し、精子と卵という形態的、機能的に異なる配偶子を形成する。この生殖細胞系列の性差を生み出す機構(性決定機構)として、体細胞の性に依存して決定される非自律的な機構と、生殖細胞系列自身が性を決める自律的な機構が知られている。しかし、後者の機構はほとんど明らかになっていない。本研究は、ショウジョウバエを用い、生殖細胞系列における自律的な性決定機構を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、始原生殖細胞(生殖細胞系列の前駆細胞)においてX染色体上の遺伝子の発現をオス(XY)とメス(XX)で一致させる遺伝子量補償が欠如しているという発見を基に、生殖細胞系列自律的な性決定機構を解明することを目的としている。本研究では、(1)XY型の始原生殖細胞において遺伝子量補償を担うMSL複合体の構成因子を発現させると、その細胞がメス化すること、(2)始原生殖細胞における遺伝子量補償の欠如にnanos遺伝子が関わることを示唆する結果を得た。さらに、生殖細胞系列のメス化に関わるX染色体上の新規候補遺伝子を同定した。以上の成果は、生殖細胞系列の性決定機構を明らかにする上での新たな基盤となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原始的な動物であるヒドラは、生殖細胞系列のみで性差が観察されることから、生殖細胞系列自律的な性決定機構は、体細胞に依存した非自律的な性決定機構に比べ、進化的に古く、多くの動物で保存されていると考えられる。実際、生殖細胞系列自律的な性決定機構は、ショウジョウバエだけでなく、他の動物種でも存在することが明らかになりつつある。したがって、本研究により得られた成果は、動物に普遍的な生殖細胞系列の性決定メカニズムを理解するうえで重要な基盤になると考えられる。
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