研究課題/領域番号 |
20H03289
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
桧垣 匠 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (90578486)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 気孔開閉運動 / 微小管 / 膜小胞 / イメージング / 画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多次元ライブセルイメージングと機械学習(いわゆる人工知能(AI))を活用した画像解析技術に基づいて、植物の気孔開閉運動を司るH+-ATPaseの細胞膜への局在化機構の全貌解明を目指す。気孔開口を駆動するH+-ATPase AHA1の細胞膜輸送に必須の因子であるPATROL1およびその相互作用因子群に注目し、気孔開閉運動におけるPATROL1関連因子群の三次元分布および共局在性を描出する。取得画像群から膜小胞と微小管を高精度に検出・評価する機械学習技術を活用した次世代型の定量的細胞生物学研究を展開し、気孔応答を制御するPATROL1依存的なAHA1の細胞膜輸送機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、これまでボトルネックとなっていた多次元ライブセルイメージングの画像解析に係る人的コストを劇的に軽減するAI技術を活用し、次世代型の定量的細胞生物学研究によってH+-ATPase 細胞膜輸送機構の解明を目指した。具体的には、(1)細胞骨格構造の定量評価に欠かせないセグメンテーションにおける深層学習による画像変換の活用法の検討、(2)深層学習による顕微鏡画像の画質改善による光毒性の軽減および時間分解能の向上の検討、(3)機械学習による細胞骨格パターンの自動分類と分析、(4)これらの技術を利用して気孔開閉を制御する膜小胞および表層微小管の薬剤耐性に関する動態解析を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、AI技術を利用して植物細胞生物学研究を推進する方法を実践的に検討した。具体的には、細胞骨格構造の定量評価を改善するセグメンテーション手法、顕微鏡画像の画質改善を目指した深層学習モデルの開発、細胞骨格パターンの自動分類と分析など、研究者の分析作業を省力化するだけでなく、従来よりもより健全な状況の細胞をより詳しく調べることのできる技術の開発に取り組んだ。さらに、これらの手法を用いて植物の孔辺細胞に焦点を当て、気孔の環境応答性を担うH+-ATPase細胞膜輸送機構の解明を目指して実践的な研究を行った。このAIを活用した手法は、生物学の幅広い分野での利用が期待される。
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