研究課題/領域番号 |
20H03290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中村 桂一郎 久留米大学, 付置研究所, 客員教授 (20172398)
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研究分担者 |
太田 啓介 久留米大学, 医学部, 教授 (00258401)
平嶋 伸悟 久留米大学, 医学部, 客員准教授 (70647784)
力丸 由起子 (西由起子) 久留米大学, 医学部, 講師 (90368960)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 間質細胞 / 線維芽細胞 / 結合組織・細胞構築 / 組織動態解析 / 三次元微細構造 / FIB/SEM / volume EM / AI-assisted extraction / 結合組織構築 / 組織機能解析 / 組織機能動態解析 / 結合組織細胞構築 / 3次元微細構造 / SBF-SEM |
研究開始時の研究の概要 |
一夜で千枚の連続画像が取得できる新機軸電顕(FIB/SEM)および得られた連続画像による3次元再構築法(FIB/SEM tomography)により、様々な臓器・器官の結合組織に分布する間質細胞(線維芽細胞)の形状、大きさ、分布様式、隣接細胞との相互関係等の微細形態を"丸ごとの細胞"として解析し、このような細胞からなる結合組織の臓器毎の組織構築の差異に着目して身体各所の分布範囲・配置様式、さらに、血管、神経、筋線維の存在の場という観点から、機能、炎症等の病態との関連における医生物学的意義を見いだす糸口とする。このような形態研究はFIB/SEM tomographyによりはじめて可能となった。
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研究成果の概要 |
全身の結合組織に普遍的に分布する間質細胞について、泌尿生殖器系臓器およびリンパ節を対象に、volume EM法(FIB/SEM tomography)による3次元的微細構造解析を行い、そこに観察される多くの間質細胞は極めて菲薄、扁平で、うねるように配置するシート状細胞質をもち、隣接する細胞間でギャップ結合等により連結して広範に拡がる細胞ネットワークを形成することが示された。また、間質細胞由来のコラーゲン線維束の配列決定にはギャップ結合によるこれら細胞の連結が重要であることが示された。本研究のような連続電顕画像による3次元解析ではAI支援による特定構造の自動抽出が有用であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題で開発された三次元微細構造解析法は、結合組織に普遍的に存在する間質細胞の、広範に拡がる細胞ネットワーク形成、組織区画化、組織幹細胞ニッチ、exosomeによるシグナル伝達等の理解に重要な情報を提供した。技術革新とともに、今後、様々な臓器・器官の結合組織細胞の再評価に繋がる成果は学術的に意義深い。また、身体の成長・再生・老化における結合組織の再生医学的役割、また、癌転移、線維化等重要な病態への関わりの観察からは生体構造の生理病態理解が期待され、更には、全身の結合組織における間質細胞の分布密度の偏りの多様性は、臨床的に注目されている筋膜リリースや経絡・経穴の理解の基盤となることも期待される。
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