研究課題/領域番号 |
20H03302
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
岸本 利彦 東邦大学, 理学部, 教授 (90339200)
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研究分担者 |
河野 暢明 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 准教授 (90647356)
古倉 健嗣 東邦大学, 理学部, 准教授 (30344039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | プロテオスタシス / 高温適応進化 / 大腸菌 / シャペロニン / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
プロテオスタシスは、生命維持に必須であり、タンパク質の正しいフォールディング、不要タンパク質の分解、およびそれらの制御因子の発現制御などにより維持されている。しかし外部環境変化への適応進化における、プロテオスタシスの挙動に関する知見はほとんど無い。本申請では、大腸菌高温適応進化におけるプロテオスタシスネットワークの挙動とその機能を、①プロテオスタシス制御因子の変異機能解析、②シャペロン系因子のターゲットタンパク質網羅解析、③プロテオスタシス制御転写因子σ32のターゲット遺伝子とその転写制御能の解析、により解明する。本研究により、持続ストレスに対する生命の維持・進化機構の理解が進む。
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研究成果の概要 |
本研究では、高温適応進化大腸菌のプロテオスタシスネットワークにおける機能を解明するため、シャペロンネットワークにおけるgroLと、ヒートショック転写制御ネットワークの中心因子σ32をコードするrpoHの変異に注目した。高温適応進化株のゲノム解析でプロテオスタシス系の変異率が高いことが示され、特にシャペロニンGroEの変異が重要であることが示唆された。rpoHの変異A264Vは高温適応株で有益であり、プロテオスタシス系遺伝子の発現を上昇させた。シャペロニンGroEの変異によるターゲットタンパク質の変化の網羅解析に重要な基質タンパク質を含むGroE複合体の精製方法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、プロテオスタシス系の必須遺伝子は、進化において全て変異し、最大で遺伝子あたり4カ所の変異が確認されたことなどから、致死ストレス適応進化におけるプロテオスタシス系の重要性が示された。このことは、プロテオスタシス系が、生命の持つ頑健性と柔らかさの根源となるロバストネスに大きく関与していることを示している。プロテオスタシスの持つ変化の許容力は、進化ばかりでなく癌化などの現象にも大きく関与することが想定され、研究成果はこれらの方面にも役立つ可能性がある。
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