研究課題/領域番号 |
20H03306
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川北 篤 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80467399)
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研究分担者 |
望月 昂 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80822775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 送粉 / コミカンソウ属 / モクレン属 / タコノキ属 / タマバエ / アザミウマ / ケシキスイ / ハナケシキスイ属 / タコノキ / ニューカレドニア / ハナホソガ属 / タマバエ科 / ケシキスイ科 / モクレン科 / タコノキ科 / タイワンオガタマ / オガタマノキ / 送粉共生 |
研究開始時の研究の概要 |
植物と送粉者の共進化は、現在の被子植物の多様性を生み出す大きな原動力の一つであったと考えられている。私たちは近年、成虫が花組織に産卵し、幼虫がそこで繁殖する昆虫が送粉者である系をさまざまな植物で発見しており、送粉者を共有する分類群同士ではシンドロームと呼ぶべき、共通した花の特徴があることが分かってきた。本研究は、花組織を報酬とする送粉共生系の多様性を浮き彫りにし、被子植物の花の多様性に対する新しい理解を切り拓こうとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、国内外における野外調査をもとに、花組織を報酬とする送粉共生系の多様性を浮き彫りにし、それらに共通する花形質を見出すことで、従来の送粉シンドロームの枠にとどまらない、花の多様性に対する新しい理解を切り拓くことを目的に研究を行った。その結果、コミカンソウ属における雄花に虫えいを形成するタマバエによる送粉、モクレン属における花で繁殖するアザミウマによる送粉、タコノキ属における雄花序で繁殖するケシキスイによる送粉など、特筆すべき送粉共生を発見した。さらに、これらの植物に見られる花色や花形態、花序の発熱などの形質が、類似の送粉様式をもつ植物間に見られるシンドロームである可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物と送粉者の共進化は、被子植物の多様性を生み出す大きな原動力の一つであったと考えられており、植物と送粉者の関係の多様性の理解は、自然界に見られる花の多様性の理解に不可欠である。本研究では、被子植物であまり一般的でない花の特徴をもつ植物に着目し、コミカンソウ属、モクレン属、タコノキ属などの植物において、花を幼虫の生育場所として利用する昆虫による、これまでに見過ごされていた送粉様式を発見した。本研究の成果は、被子植物の花の多様性を、その花の花粉を運ぶ動物との関係に照らして理解することを可能にするものである。
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