研究課題/領域番号 |
20H03324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 (2023) 京都大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
酒井 章子 総合地球環境学研究所, 研究基盤国際センター, 客員教授 (30361306)
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研究分担者 |
乾 陽子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10343261)
辻 かおる 京都大学, 理学研究科, 研究員 (40645280)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 送粉 / 細菌 / アンプリコンシーケンシング / 微生物叢 / 花圏微生物叢 / スフィンゴモナス属 / 細菌叢 / 花圏微生物 / 雌雄異株 / 種子微生物 / 植物繁殖生態 / 共生関係 / 相利共生 |
研究開始時の研究の概要 |
植物表面には地下のみならず地上部であっても、膨大な数の微生物が存在する。葉表面には植物の種や遺伝子型に応じた共生微生物が棲息し、耐病性や成長に寄与している。しかし、繁殖器官である花の微生物叢についての知見は、葉に比べると非常に少ない。ところが申請者らは最近、トウダイグサ科アカメガシワ雌花上で、スフィンゴモナス属細菌(以下、スフィンゴモナス)が優占することを見出した。スフィンゴモナスは、葉では、植物の耐病性を高めていることが報告されている。そこで本研究では、アカメガシワ雌花のスフィンゴモナスが、寄主植物の病原生物からの防衛に貢献し、相利共生関係にあることを示す。
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研究成果の概要 |
本研究では雌雄異株植物アカメガシワの雌個体の柱頭に優占するSphingomonas属細菌に注目し、これらと宿主植物の相互作用について検討を行った。同じ調査地で複数年にわたって調査を行うと、Sphingomonas属の種類や優占度は、年によって異なっていた。サンプリング地点によっても細菌叢は異なっていたが、当初期待していたような明確な地理的なパターンは見られなかった。一方、Sphingomonas属細菌を柱頭に接種することによって種子内部の微生物組成が変化した。これらの結果から、花の表面の微生物は宿主と密接な関係を築いているわけではないが、植物の適応度に大きな影響を及ぼしうることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで植物と地下微生物の相互作用については、進化・生態学重要性と食物生産上の観点から盛んに調べられて来た。一方、植物繁殖器官上の微生物群集やそれらの繁殖成功への影響は、ほとんど顧みられて来なかった。花は一般に寿命が短く微生物叢は重要でないと考えられてきたこと、種子にはほとんど微生物がいないと考えられてきたことが、その背景にあると考えられる。本研究では、野生植物の花・種子上の微生物と宿主植物の関係に焦点をあて、送粉者によって運ばれる細菌の潜在的インパクト、雄雌の差、年変動や地理的変異を明らかにした。繁殖器官上の微生物は、植物の繁殖成功に大きな影響を与える重要な要素であることが示唆された。
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