研究課題/領域番号 |
20H03342
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
竹居 光太郎 横浜市立大学, 生命医科学研究科, 教授 (40202163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | LOTUS / 脊髄損傷 / 遺伝子導入 / アデノ随伴ウイルス / タンパク質製剤 / 神経再生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は応募者らが発見した神経回路形成因子LOTUSの生理機能を利用した独創的・画期的な再生医療技術の構築を目的とする。中枢神経系の再生を阻む主要因であるNogo receptor-1(NgR1)、およびPaired immunoglobulin-like receptor B (PirB)の双方を抑制する内在性物質であるLOTUSは中枢神経系が損傷を受けると著しく発現が減少し、NgR1とPirBに対する拮抗作用を失って再生が阻止される結果をもたらす。脊髄損傷モデル動物においてアデノ随伴ウイルスによる遺伝子導入で神LOTUSの発現減少を補填し、損傷後の機能改善をもたらす再生医療技術を構築する。
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研究成果の概要 |
神経回路形成因子LOTUSの生理機能を利用した新たな再生医療技術の構築を目的とし、中枢神経系の再生を阻む主要因を抑制する内在性物質LOTUSの生理機能を利用した再生医療技術の開発を行なった。LOTUSは中枢神経系が損傷を受けると著しく発現が減少することから、本研究では、脊髄損傷モデル動物において精製LOTUSタンパク質、およびアデノ随伴ウイルスによるLOTUS遺伝子の導入によってLOTUSの発現減少を補填したところ、行動学的解析と組織学的解析の双方において、両者ともに有意に機能改善が認められ、LOTUSの補充療法は脊髄損傷の機能改善に有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってマウス脊髄損傷に対する精製LOTUSタンパク質投与及びAAV-LOTUS投与の有効性が確認された。これは、機能再建が極めて困難である脊髄損傷に対する新たな有望治療法の提案に該当する。中枢神経系は損傷後の機能再建は非常に困難であるが、多種の再生阻害因子を標的とした治療法で奏功したものは未だ存在しない。LOTUSは脊髄損傷などの損傷によって発現が激減するため、減少したLOTUSを補充するタンパク質製剤投与や遺伝子導入が有効となる。更にLOTUSの安全性も確認された。これらより、LOTUSの補充療法のヒトでの治療効果や安全性が十分に想定され、本治療法の社会実装が期待される。
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