研究課題/領域番号 |
20H03343
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 (2020, 2022) 慶應義塾大学 (2021) |
研究代表者 |
石田 綾 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (40424171)
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研究分担者 |
石川 理子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60547991)
坂内 博子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40332340)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | シナプス / 神経活動 / Cblnファミリー分子 / 可塑性 / Cbln / 痛み刺激 / 疼痛 / Cblnファミリー |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系のシナプスには非常に多くの分子群が存在するが、Cbln1ほど強力かつ急速に生体でシナプスの形成を誘導する分子は過去に報告がない。本研究では、侵害刺激に関わるシナプス可塑性においてCblnファミリーの役割を検証することで、活動依存的な神経回路の変容過程をCblnがどのように制御するのかを明らかにする。シナプス可塑性の分子機構は、学習・記憶の素過程であり、神経科学の最も重要な課題である。本研究では、侵害刺激応答を担う特異的な神経回路でのCblnの役割に注目することで、分子・シナプス・回路・行動にいたるまで、複数の階層からシナプス可塑性の意義を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、外界の刺激に応じてシナプス・神経回路が変化する過程をCblnファミリー分子がどのように制御するのか明らかにするためParabrachial Nucleus;PBN)の痛み応答に着目し研究を推進した。PBNでCblnを発現する細胞種を特定するために、HAタグをCbln1/2遺伝子座に挿入したノックインマウスを作成し、免疫組織化学法を用いて各分子をS/N比高く検出することが可能となった。さらに、PBNの投射領域でのシナプス機能に果たす役割を明らかにするため、各種ノックアウトマウスの電気生理学的解析を行い、Cblnファミリーが重要な役割を果たすことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神神経疾患の多くは、中枢神経系のシナプス機能が破綻し、外界刺激への応答性が障害されるために惹起されると考えられている。本研究では、シナプスの形成を強力に誘導するCblnファミリー分子が痛みを司る神経領域に高いレベルでは存在することに着目し、その局在と生理的意義を明らかにすることを目的とした。慢性的な痛みは長期的な情動変化を引き起こすが、その分子基盤解明に必須な基礎的知見が得られたと考えられている。
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