研究課題
基盤研究(B)
動物やヒトはどのような感覚情報や行動が報酬に結びつくのかを学習する(報酬学習)。 線条体ニューロンは感覚・運動情報をコードした大脳皮質からのグルタミン酸入力と報酬情報をコードした中脳からのドーパミン入力を受けるため、両者のシグナル統合が報酬学習の細胞基盤と想定されている。しかし、この統合が時空間的にどのように行われているのかは十分わかっていない。本研究は、ドーパミン伝達を可視化・操作する技術の開発を通じて、ドーパミンとグルタミン酸の細胞内シグナル統合過程の時空間選択性の理解を目指す。
ドーパミンは私達の脳機能に必要不可欠であり、その伝達異常はパーキンソン病や統合失調症の原因とされている。しかし、ドーパミンが脳組織中にてどこから放出され、どこまで広がり、どのように作用するのかは未だ十分理解されていない。本研究は、その理解に役立つ技術として、独自のゲノム編集技術による分子標識技術を介してドーパミン放出部位を標識した上で、その標識ニューロンの可視化および操作を可能にする新たな技術プラットフォームを確立した。
本研究にて確立した新たな技術は、中脳ドーパミンニューロンへの応用を通じて、これまで不十分であった脳組織中におけるドーパミン伝達の多元的かつ高精度な理解が可能となる。この結果、正常な脳の機能する仕組みの理解が深まるだけでなく、多数の罹患者が存在する多様な脳機能疾患におけるドーパミン伝達異常の高精度な理解が可能となることで、そこから生み出される新たな治療アプローチの創出にも結びつくと期待できる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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