研究課題/領域番号 |
20H03353
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 東京大学 (2022) 京都大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
林 悠 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40525812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 睡眠 / マウス / 脳幹 / 神経回路 / 化学遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な疾患や発達障害において、睡眠構築(レム睡眠やノンレム睡眠や中途覚醒が一晩の間に現れるパターン)の異常が長期にわたって続く。こうした異常が脳機能に及ぼす影響はよくわかっていない。私たちはこれまでに、睡眠構築制御を司る脳幹の神経ネットワークの解明を進めてきた。その過程で、レム睡眠やノンレム睡眠を一過的または長期的に操作できるマウスを構築した。本研究では、こうした私たち独自の睡眠構築制御技術を活用し、正常な睡眠構築が脳機能に果たす役割を解明する。その際、分子レベルから神経回路レベル・行動レベルまで解析を行い、睡眠構築の重要性を解明するとともに、睡眠構築を生み出す神経回路の動作原理も解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、我々がマウスにおいて同定した脳幹の睡眠構築を制御する神経回路を人為的に操作することで、長期的に睡眠構築に介入した際に、脳機能に生じる影響や、その分子メカニズムの解明に取り組んできた。その結果、睡眠構築を操作したマウスでは様々な行動の異常がみられることや、大脳皮質・海馬の遺伝子発現の異常があることが判明した。さらに、睡眠構築を制御するニューロンの作動原理の解明を進めた結果、レム睡眠やノンレム睡眠をコントロールするニューロン群が複数同定され、睡眠構築への介入がもたらす様々な作用の神経基盤の一端が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
睡眠構築は、疾患や発達障害、さらには睡眠薬の影響を大きく受ける。こうした長期的な睡眠構築の異常がもたらす影響についてはよくわかっていない。ヒトでの前向きな調査研究では、睡眠構築の特徴によっては、認知症を発症するリスクや様々な要因で死亡するリスクが高まることが近年報告されたが、因果関係は明らかでない。本研究で私たちはマウスにおいて、最新の神経科学ツールを用いて睡眠構築に介入することで、様々な影響が生じることを見出した。これらの知見は、一部の動物で複雑に進化した睡眠構築という謎多い生理現象の意義を理解する重要な手掛かりを与えるものと期待される。
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