研究課題/領域番号 |
20H03356
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
水関 健司 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80344448)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 海馬 / 海馬台 / 前頭前野 / 扁桃体 / 情報ルーティング / 経路特異的 / 光遺伝学 / オシレーション / 神経多様体 / シナプス伝達効率 / 嗅内皮質 / デコーディング / セル・アセンブリ / sharp-wave ripples / 恐怖条件付け / 記憶 / 場所細胞 / 速度細胞 / 大規模電気生理学記録 / 情報処理 / 情報表現 / 投射先特異的 |
研究開始時の研究の概要 |
記憶に重要な海馬の情報は海馬台から出力される。しかし、海馬台からどのような情報がどの脳領域へ伝達されるのかは不明である。主な理由として、先行研究では場所課題が使われていたことと、記録している海馬台の神経細胞がどの脳領域へ投射しているか不明であったことが挙げられる。本研究は、時間・不安・恐怖・報酬・物体など様々な情報表現を調べる課題を開発する。さらに大規模電気生理学で同時に記録している海馬台の神経細胞がどの脳領域へ投射しているかを同定する計測技術を開発する。開発した課題と計測法を組み合わせて、海馬台の個々の神経細胞がどのような情報を表現し、それらの情報をどの脳領域へ伝達するのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
大規模記録法と光遺伝学を融合し、同時記録している神経細胞の投射先脳領域を同定する技術を開発して、ナビゲーションに関わる情報を海馬から下流脳領域へ分配するメカニズムを明らかにした。さらに、古典的な恐怖条件付け学習による恐怖記憶の獲得・定着・想起の過程で前頭前野・扁桃体・腹側海馬から神経細胞の活動を同時記録し、恐怖記憶の定着時と想起時において、高周波オシレーション中に脳領域横断的な神経同期活動が生じることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ナビゲーションに関わる情報が海馬から下流脳領域へ分配されるメカニズムを明らかにした。さらに、海馬が前頭前野・扁桃体と協調して恐怖記憶の定着と想起を支えるメカニズムを明らかにした。本研究の成果は、認知症や心的外傷後ストレス障害の病態を深く理解し、より優れた予防法や治療法を開発するための基盤になることが期待される。
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