研究課題/領域番号 |
20H03360
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 美洋 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (90226019)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | シクロブタン / ラダラン / ロジウム / ルテニウム / コバルト / メタラサイクル / 環化反応 / シクロオクタジエン / 不斉合成 / 遷移金属触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
シクロブタンは4つの炭素からなる四角形の化合物で,立体的な自由度が制限された特徴ある三次元構造を持っています。このシクロブタン骨格は天然物などにも含まれ,また創薬においてもその構造的な特徴を利用できると期待される骨格です。また最近,シクロブタン環が連結し「はしご状」となったラダランという化合物も自然界の細菌(アナモックス菌)の膜脂質から発見され,その機能にも興味が持たれています。本研究課題では,この多置換シクロブタンやラダラン化合物の立体選択的合成法の確立を目指しています。
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研究成果の概要 |
本研究課題では,多置換シクロブタン誘導体やシクロブタン環がはしご状に連結したラダラン誘導体の立体選択的合成法の開発を目指した.その結果,(1)Rh触媒によるロダサイクルの形成-Csp3-H結合活性化を経由するシクロブタン誘導体の不斉合成法の開発,(2)Ru触媒を用いたアレンインの環化反応を利用した含硫黄ラダラン誘導体及び含ホウ素多置換シクロブタン誘導体の合成に成功した.また貴金属であるRhの使用を避けるため,同族のCo触媒を用いたエンインの環化反応に関する基礎研究を開始し,(3)水素(H2)を還元剤とするCo触媒によるエンインの還元的環化反応の開発にも成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シクロブタン骨格は天然物などにも含まれ,創薬においてもオレフィンやベンゼンの生物学的等価体としての利用も期待される骨格である.またシクロブタン環が連結し「はしご状」となったラダラン骨格をもつ天然物も最近発見され,その機能にも興味が持たれている.一方,多置換シクロブタンの立体選択的合成法や光学活性体での合成法は限られており,さらにラダラン骨格に関しては合成例が極めて少ない.本研究では,例のないスピロ骨格を持つシクロブタン誘導体の不斉合成や,官能基化の手掛かりとなる硫黄やホウ素を骨格内に含むラダラン誘導体の合成に成功しており,その学術的意義や社会的意義は大きい.
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