研究課題/領域番号 |
20H03372
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小松 康雄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究部門長 (30271670)
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研究分担者 |
周東 智 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (70241346)
平野 悠 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70415735)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | アンチセンス / RNA / オリゴヌクレオチド / クロスリンク / 核酸 / 核酸医薬 / 遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、長鎖非タンパクコードRNA(lncRNA)が複数発見され、このlncRNAの機能制御にはsiRNAやアンチセンスオリゴ(ASO)が有力な手法となる。siRNAは核酸・酵素複合体として細胞内で酵素的に作用するが、核内における効果が低い。一方ASOは核および細胞質いずれにも分布可能であるが、RNA切断酵素と結合せず酵素的に作用しないため、多くの投与量と化学修飾が必要になる。そこで本研究では、RNA分解酵素に結合する核酸構造をはじめに構築し、同構造を介してASOと酵素を複合体化させる技術を開発する。これにより酵素的にRNAを切断することが可能な新規なASOの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
2021年度までに、RNA/DNA2本鎖(RD) の中央部をクロスリンカー(aoNao)で結合して、鎖間がクロスリンクされた2本鎖(cross-linked duplex、以下 CLD)の安定性を評価したところ、CL構造があってもRNAが切断される可能性が高いことが明らかとなった。そこで、CL部位である脱塩基部位をシクロプロパン環(cP)に変えたCLD (cp-CL)を、1本鎖の両末端に接続したアンチセンスを合成した。アンチセンス活性を評価した結果、cp-CLを有するアンチセンスは高いアンチセンス活性を有し、96時間以上活性を維持することを確認した。また、2本鎖構造が細胞内でも安定に維持されるかどうかを評価するために、通常の2本鎖の向かい合った末端にDonorおよびAcceptorとなる蛍光分子を導入し、Fluorescence resonance energy transfer (FRET)観察による評価系を構築した。まずCLDと2本鎖で細胞外における安定性を比較した結果、2本鎖では温度を上げるとFRETによる蛍光が消失したが、CLDではFRETによる蛍光が高温でも維持され、CLDの安定性がこの方法で評価可能であることを確認した。続いて、1本鎖の5’末端にのみCLDを有するアンチセンスを合成して細胞内に導入したところ、FRETに伴う蛍光が細胞内でも観察された。これらのことから、CLDの構造安定性および細胞内動態を本技術により評価可能であることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響もあって納品の遅れや密接な打ち合わせなどができなくなり計画より研究が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
計画を見直し、進める課題に優先順位を付けた。これにより重要な研究をまず進め、得られた結果の成果発表を加速させる。特に論文発表と学会発表を積極的に進める。
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