研究課題/領域番号 |
20H03373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 孝司 北海道大学, 薬学研究院, 助教 (20604458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | デリバリーシステム / 脂質ナノ粒子 / アジュバント / がん免疫療法 / NK細胞 / メモリー細胞 / 薬物送達学 / ナノ粒子 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の免疫チェックポイント阻害剤単剤の有効率は20~30%である。さらに、長期間に及ぶ使用症例の増加に伴い、治療抵抗性の獲得が問題となっている。このような獲得抵抗性に対しては、natural killer(NK)細胞を利用したがん免疫療法が期待できる。本研究では、NK細胞のさらなる強化を実現するためのアジュバント搭載薬物送達システムを細胞内/体内動態の観点から構築し、獲得抵抗性を攻略するためのナノがん免疫療法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、免疫記憶を有するメモリーnatural killer(NK)細胞を効果的に誘導するためのアジュバント(免疫活性化物質)を搭載した脂質ナノ粒子を構築し、免疫チェックポイント阻害療法に耐性を示すがんに対する新しいがん免疫療法の開発を進めた。2種類のアジュバントを搭載した脂質ナノ粒子はメモリーNKを効率的に誘導し、免疫チェックポイント阻害療法に耐性を示すマウスメラノーマ肺転移に対する治療効果を増強することが明らかになった。また、予防的に投与することで、メラノーマ肺転移を強力に抑制できることから、免疫チェックポイント阻害療法に耐性を示すがんの転移予防にも有効である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにin vivoでメモリーNK細胞を誘導可能なシステムは報告されておらず、本研究にて開発したアジュバント搭載脂質ナノ粒子を用いたシステムが初めてである。それ故、学術的に高いインパクトを持つ。また、NK細胞のメモリー化を誘導することで、免疫チェックポイント阻害療法に耐性を持つがんに対する抗腫瘍活性の増強と転移予防効果を示すことから、現在のがん治療の課題を克服するための新しいがん免疫療法の開発に繋がる重要な知見である。
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