研究課題/領域番号 |
20H03383
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
仲矢 道雄 九州大学, 薬学研究院, 准教授 (80464387)
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研究分担者 |
小迫 英尊 徳島大学, 先端酵素学研究所, 教授 (10291171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 筋線維芽細胞 / 線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
線維化とは、コラーゲン等の細胞外マトリックスが過剰に産生された状態である。この線維化は、炎症を契機にして、常在性の線維芽細胞等が分化した、『筋線維芽細胞』という細胞群によって実行される。線維化は様々な臓器の病態を悪化させるが、未だ決定的な線維化治療薬はなく、革新的な線維化治療法、薬の開発が望まれている。 我々は、筋線維芽細胞に特異的に発現し、筋線維芽細胞によるコラーゲン等の線維化関連因子の産生を促進する分子を見出した。そこで本研究では、この分子による線維化促進機序を解明し、新規線維化治療法の開発基盤を構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
近年増加している非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、脂肪の過剰な蓄積による炎症を起因として線維化が亢進している病態である。線維化した組織は硬化により機能低下し、最終的には肝硬変や肝癌など重篤な病態へと至る。しかしながら現在、NASHの決定的な治療薬は存在していない。そこで我々は、線維化を標的としたNASH治療法の創生に繋がる標的分子を探索した。その結果、ある線維化促進タンパク質は、線維化病態時にのみ発現し、かつ線維化の実行細胞である筋線維芽細胞に特異的に発現することが明らかとなった。また、このタンパク質のノックアウトマウスにおいては、NASH時の肝臓の線維化が有意に軽減した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、新たに肝臓の線維化を促進するタンパク質を同定することができた。同定したタンパク質は、マウスおよびヒト共に線維化した肝臓において、活性化した肝星細胞に特異的に発現する。また、正常時の肝臓にはほとんど発現しない。従って、このタンパク質は、非アルコール性脂肪肝炎時やウイルス感染時などの肝臓の線維化治療の標的分子になる可能性が考えられる。今後はこのタンパク質がコラーゲンなどの産生を促進するメカニズムを詳細に解析する予定である。
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