研究課題/領域番号 |
20H03385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
今井 浩孝 北里大学, 薬学部, 教授 (50255361)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 脂質酸化 / 心不全 / 腸内細菌 / ビタミンE / リポキシトーシス / フェロトーシス / GPx4 / 抗生物質 / ビタミン |
研究開始時の研究の概要 |
これまでのところ腸内細菌が心臓の機能を正に制御することは知られていない。本研究では、心不全の原因のひとつである脂質酸化を介した心筋細胞死を抑制できる腸内細菌を同定することを最大の目的とし、さらにどのように腸内にいる腸内細菌が心臓における脂質酸化を抑制できるのかについて、網羅的なメタボローム解析を行うことにより、腸内細菌が産生する心不全抑制関連物質の同定を試みる。本研究により新たな心臓ー腸内連関を明らかにすることができる。
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研究成果の概要 |
心臓特異的GPx4欠損マウスはビタミンE添加食で生存できるが、餌のビタミンE量が低下すると、心筋細胞に脂質酸化依存的な細胞死(フェロトーシス様細胞死)が誘導され心不全突然死を引き起こす。我々はこれまでに抗酸化能をもたない抗生物質セフォペラゾン(CPZ)の飲水投与により、腸内細菌叢の変化を介して、心不全を抑制することを見出していた。本研究では、CPZ耐性腸内細菌がエンテロコッカス属菌であることを明らかにし、この致死抑制には腸内の微量のビタミンEの構造を認識し、必要としていること、またエンテロコッカス属菌以外にも少なくとも2種類の別の腸内細菌も心不全を抑制できることを新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全は予後が悪い疾患であるが、特に心血管梗塞以外の心筋細胞が突然致死となる特発性心筋症などはその原因が明らかになっていない。本研究では心筋内の脂質酸化の亢進が心不全をひきおこすこと、またその予防法や治療法として、特殊な腸内細菌が心臓における脂質酸化を制御できることを明らかにしたものである。腸内細菌が機能するためには腸内に定着するだけでなく、微量なビタミンEの特殊な構造を認識していることも明らかとなった。これらの知見は今後、機能性表示食品への応用開発にむけて極めて重要な意義をもっている。またこの新たな腸―心連関は学術的にもユニークであると考えている。
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