研究課題/領域番号 |
20H03396
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47050:環境および天然医薬資源学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
塚本 佐知子 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 教授 (40192190)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | p53作用増強 / HTS探索 / がん治療薬 / 天然資源 / 機能解析 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまで、がん抑制遺伝子産物p53の作用を増強する特異的阻害物質の探索を行ってきた。しかし、これまで実施してきた酵素やタンパク質間相互作用に対する阻害試験では、天然物エキス中の蛍光物質などが検出の障害になり、また、細胞レベルの評価系では、化合物の細胞膜透過性や細胞内での安定性などの予測が困難であった。そこで本研究では、これらの欠点を克服し、かつ効率良くスクリーニング(HTS)する評価系を構築し、天然資源から新規がん治療薬シーズを発見し機能解析する。
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研究成果の概要 |
がん抑制遺伝子産物p53はがん細胞において約50%が変異している。本研究では、がん治療薬開発のため変異型p53の機能を回復させる化合物を探索した。そして、p53-R175Hを過剰発現するSaos-2 (p53-R175H)細胞を用いて、当研究室で保有する天然資源エキスをスクリーニングし、植物内生菌から変異型p53の細胞内レベルを低下させる化合物を単離した。化合物の作用機構を調べたところ、本化合物は当初推定したように変異型p53を野生型構造に変換させて機能回復させるのではなく、変異型p53を不安定にさせプロテアソームによる分解や凝集を誘導させていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで本研究代表者は、それぞれを阻害することでp53の作用を増強すると考えられるUba1 (E1)、Ubc13 (E2)、Mdm2 (E3)及びUSP7 (DUB)を対象として阻害剤の探索を行ってきた。それは、がん治療薬としての効果を考えると、p53の作用を増強する薬剤の中で異なる標的に作用する薬剤を複数併用することにより相乗効果が現れ、治療効果の飛躍的な向上が期待できると考えたからである。そして本研究では、p53に関する別な視点からのがん治療薬の開発として、変異型p53の機能を回復させる化合物の探索に関する研究を行った。
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