研究課題/領域番号 |
20H03413
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2022-2023) 名古屋大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
川口 綾乃 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90360528)
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研究分担者 |
岡本 麻友美 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (30551965)
宮田 卓樹 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70311751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 神経幹細胞 / 神経前駆細胞 / 大脳形成 / 脳進化 / 神経発生 / 脳形成 / 神経解剖学 / 神経科学 / 脳室下帯 / outer radial glia / ニューロン移動 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系が正常な生理的機能を果たすためには正しく形成された脳組織構造が必要である。結節状の異所性灰白質(ヘテロトピア)は先天性の脳形成異常の一つであり、発生過程におけるニューロンの移動障害がその原因と考えられている。本研究では、結節状ヘテロトピアの病態理解の観点から幼若ニューロンの移動に、脳進化の観点からSVZに存在する未分化な神経前駆細胞の誕生の仕組みに注目し、これらに対して分子遺伝学・分子細胞生物学的な実験を行うことで、SVZ形成の組織メカニズムと、それが脳全体の形作りに果たす役割を明らかとする。
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研究成果の概要 |
中枢神経系が正常な生理的機能を果たすためには正しく形成された脳組織構造が必要である。本研究の目的は発生期大脳の脳室下帯(SVZ)に存在する前駆細胞誕生の分子機構を明らかにし脳組織複雑化のメカニズムを理解することである。発生時刻の進行にともない発現上昇する転写因子Tox3に注目し、マウスとフェレットでの発現を検証し、マウスin vivo強制発現実験とライブイメージング、下流の遺伝子発現の解析ならびにloss-of-function実験を行った。これらの結果から、本分子がSVZ前駆細胞を誕生させ脳組織複雑化に貢献していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、Tox3が大脳発生において脳を構成する様々な細胞を生み出す前駆細胞の「集団移動」に重要な役割を果たしていることが確認された。また、これらの前駆細胞の集団移動とニューロン分化に伴う細胞移動が共通の分子機構で制御されていることが示された。マウスとフェレットモデルを用いた比較研究の結果は、進化に伴う哺乳類の脳の複雑化を理解するうえでも興味深い成果である。正常な脳発生の理解が深まり、将来的には神経発生異常やニューロン移動障害など関連する疾患の病態理解につながることが期待される。
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