研究課題/領域番号 |
20H03414
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 真 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 教授 (10222019)
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研究分担者 |
岡 雄一郎 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 講師 (30614432)
安村 美里 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20533897)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 神経科学 / 解剖学 / 脳・神経 / 大脳皮質 / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
脳は感覚情報を記憶などの情報と統合し、新たな情報として出力する。なかでも大脳皮質はこの知的活動の中心的な場の一つである。そして、大脳皮質では異なる頭葉は異なる機能を担う。そのため、頭葉間をつなぐ長連合線維はこの知的活動(情報統合から出力への過程)に、重要な役割を担う。しかしながら、長連合線維を構成する頭葉間神経回路についての回路網研究や機能研究、回路を形成する仕組みについての研究は十分には進んでいない。そこで本研究では、我々が独自に開発した方法を用い、「個々のニューロンを単位とする軸索投射様式と入力出力回路の同定も含めた神経回路網の実体およびその形成・発達を制御する分子メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
大脳皮質の機能領野間での情報伝達は高次皮質機能に重要であるが、領野間回路の形成過程や形成機構は不明であった。我々は、マウスを用いて大脳皮質6層構造の中で2/3層と5a層に分布するplxnd1発現ニューロンの軸索投射の様子を単一ニューロンレベルで解析し、領野間の連合性投射が、先行する大脳半球間の交連性投射から出芽する軸索側枝のうちの1本であることを見出した。さらに、この投射について、投射先の同定、さらに投射をいくつかのサブグループに分けての研究を可能とするプロモータの同定をすすめた。投射先の細胞の標識、候補となるプロモータの同定には成功した。さらにそれら投射を決め得る分子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、独自に構築した大脳皮質領野間回路を単一ニューロンレベルで選択的に可視化する系を用いて、領野間の回路の形成過程ならびに回路網を明らかにした。領野間回路は軸索側枝によるものであることから、その形成機構の解明は、複数領域への投射による脳内の並列回路の形成機構の意義を見直すことにつながり、大脳皮質の回路の基本的構築として複数領域の同時制御が有用であることを提唱したい。自閉スペクトラム症にみられる運動機能の低下が1次体性感覚野と1次運動野の直接的な神経連絡の乱れと関連することが知られており、連合性回路の形成機構の解明により、その病態理解につながる可能性がある。
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